山形のニュース

ニホンジカ目撃急増で対策前倒し 山形県、森林生態系への悪影響警戒

県が設置したセンサーカメラで確認されたニホンジカの雄=2017年8月、山形県遊佐町

 山形県内でニホンジカの目撃情報が急増していることから、県は2021年度までに策定するとしていた管理計画を前倒しし、19年度中に策定することを決めた。シカによる農作物被害はまだ確認されていないが、シカは食性が幅広く、繁殖力も強いため、森林の生態系に悪影響を及ぼす恐れがある。県は「被害防止に向けて早期に対応したい」(みどり自然課)と話す。
 県によると、県内のシカは1919年の捕獲を最後に絶滅したとされてきたが、2009年に大石田町で目撃されて以降、徐々に目撃件数が増え、今年は11月末現在で66件と過去最高となった。
 県内で18年9月末までの約10年間で目撃されたシカは最も多かった鶴岡市で51頭、小国町で32頭、米沢市で16頭、新庄市で14頭、尾花沢市、遊佐町で各13頭−と、主に秋田、福島、新潟各県との県境自治体に集中している。
 シカは県外から侵入したとみられていて、山形大などが09〜12年に行った県内で交通事故死したシカの遺伝子解析調査によると、県内のシカは、北関東以西、岩手県の五葉山、宮城県の金華山などからの侵入の可能性が指摘されている。
 近年は小さな群れでの行動が見られる上、雌のシカの件数も増加していて、県は爆発的な増加を警戒。これまでセンサーカメラの設置や鳴き声を利用した調査を行ってきたが、個体識別や具体的な生息域の把握には至っておらず、捕獲も年に数頭にとどまっている。
 県は今後、専門家らでつくる県特定鳥獣保護管理検討委員会で意見を聞きながら、策定内容を詰め、20年度から計画に基づいた管理を目指す。
 委員会の委員を務める山形大の江成広斗准教授(野生動物管理学)は「県内でシカが多くいる地域の特定や森林への影響などを調査した上で、県民の理解を得ながら策定内容を詰めていく必要がある」と話している。


関連ページ: 山形 社会

2018年12月27日木曜日


先頭に戻る