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<東電強制起訴>元会長ら禁錮5年求刑 検察側「漫然と原発運転」

論告求刑公判に出廷した(左から)武黒元副社長、勝俣元会長、武藤元副社長(イラスト・勝山展年)

 福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力の勝俣恒久元会長(78)ら3被告の論告求刑公判が26日、東京地裁(永渕健一裁判長)で開かれ、検察官役の指定弁護士はいずれも禁錮5年を求刑した。
 論告で指定弁護士は「基本的な情報収集と対処を怠り、漫然と原発の運転を続け歴史上類を見ない大事故を引き起こした」と主張。犯情は業務上過失致死傷罪の中でも極めて重く、反省を示しておらず、被害者の苦しみは大きいと非難した。
 27日には、被害者参加制度で公判に参加している遺族の代理人弁護士が意見陳述をする。来年3月に弁護側が最終弁論し、公判は結審する予定。判決は早ければ来春の可能性もある。
 強制起訴されたのはほかに、武黒一郎元副社長(72)、武藤栄元副社長(68)。大津波を予見できず、対策を講じていても事故を防ぐことはできなかったとして、無罪を主張している。
 東電は2008年、国の地震予測「長期評価」を基に最大15.7メートルの津波が原発を襲うとの試算結果を得たが、具体策は取られずに11年3月に事故が起きた。
 論告で指定弁護士は長期評価は「専門家が十分に議論し、統一的見解を公表しており信頼できる」とし、情報収集して的確な判断をしていれば、大津波を予見できたと指摘。原発の安全を確保すべき最終的な義務と責任を負っていた3人は、安全を第一にして、対策工事完了まで運転を止める義務があったと主張した。
 さらに「被告人質問でおわびしたが、事故の責任を否定し、他者に責任を転嫁する供述ばかりで、原子力事業者の最高経営層に属する者の態度とは到底考えられない」と批判、3人に有利に考慮すべき事情は何一つないとした。
 起訴状では、大津波を予見できたのに対策を怠り、11年3月、東日本大震災による津波の浸水で原発の電源が喪失。水素爆発が起き、長時間の避難を余儀なくされた双葉病院(福島県大熊町)の入院患者ら44人を死亡させたとしている。


2018年12月27日木曜日


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