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<東日本大震災>石巻復興の歩み、映像に 名古屋・椙山女学園大生、7年かけ記録

ナレーションなど記録映像の制作に携わった学生

 東日本大震災の教訓を映像に記録する活動を、椙山(すぎやま)女学園大(名古屋市)の教員と学生が震災直後から続けている。舞台は津波の最大被災地となった石巻市。防災、減災への願いを込め、7年かけて撮影したDVDを今秋まとめた。震災10年目の2020年度に向けて活動を続け、復興の歩みを後世に語り継ぐ。

 DVDのタイトルは「東日本大震災・石巻市の復興記録」(31分)。津波で壊滅した門脇・南浜地区や旧北上川河口部の堤防整備、蛇田地区の防災集団移転団地の造成など13章で構成する。同じ地域の様子を発災から50日後、半年後、1年後など定期的に記録した。
 撮影活動は同大メディア情報学科の栃窪優二教授(64)の研究室が取り組む。11年4月〜18年7月、石巻を計29回訪れて取材した。被災地の現状を伝えることが復興支援や防災につながると願い、15人前後の学生が自費で参加した。
 これまで約5分間の短編映像を68本作り、動画投稿サイト「ユーチューブ」や研究室のホームページから全国に発信してきた。
 栃窪教授は宮城県内の地元放送局で、記者やディレクターを務めた経歴がある。今回は取材、撮影の中心となり、研究室の学生を指揮した。
 ナレーションは3年生4人が担当した。蟹江美央さん(20)は「二度と同じ悲劇を繰り返さないために、震災の映像記録を未来に伝えていく意義があると改めて感じた」と話す。
 DVDは今秋、市復興まちづくり情報交流館中央館などに寄贈。同館は10月末から上映展示している。研究室のホームページからも閲覧できる。
 栃窪教授らは市内の取材を続け、発生から10年目となる20年度に改めて記録DVDを作る。希望する施設などに無料で配ることを考えている。
 栃窪教授は「全国的には震災への関心は薄れているが、あれだけの被害を出した大災害を忘れてはいけない」と強調。「震災の教訓を未来に伝えることで、将来起こる災害での被害を少なくしたい」と決意する。


2018年12月28日金曜日


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