岩手のニュース

<暮れ行く平成>(9完)完通電30年のタイマグラ集落(宮古市)/光に感謝 つつましく

ともしびが暮らしを照らす奥畑さんの民宿

 日本最後の無点灯集落に電気が通ったのは、今からちょうど30年前、1988年12月27日のことだった。
 山懐に抱かれた旧川井村(現宮古市)のタイマグラ集落で暮らす人々に「明るい光の下で新年を迎えてほしい」と、東北電力は夜を日に継いで突貫工事を断行。その12日後、時代は平成へと代替わりした。
 「灯油ランプとは比べものにならないほどまぶしかった」。4世帯8人が暮らす集落で、民宿を営む奥畑充幸さん(57)が目を細め、灯の光を見上げた。
 8畳ほどの居間を照らすのは小さな電球一つだけ。電化製品も必要最低限で、冬の夜はまきストーブを囲んで宿泊客と語らう。
 誰よりも灯の光のありがたみを知る奥畑さんは言う。「便利な生活にはきりがない。エネルギーがいくらあっても足りないよ」
 小さなともしびの下、人々がつつましく暮らすタイマグラ集落が暮れゆく。平成の時代が暮れゆく。


2018年12月28日金曜日


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