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<TPP発効>東北の生産者、強固な対策を国に要望 輸出拡大模索も

 環太平洋連携協定(TPP)が30日に発効し、関税引き下げの影響を受ける東北の農業生産者からは国に対策を求める声が上がった。国内市場の縮小を背景に、販路を求めて輸出を本格化させる動きも出ている。
 肉牛の飼育頭数が東北トップの登米市。みやぎ登米農協の佐野和夫専務は「大波をもろにかぶるようなものだ。国には強固で、きめ細かい対策を取ってもらわないと困る」と強調する。
 同市はブランド「仙台牛」の一大産地。「世界に誇れる和牛をPRし、海外に攻める販売戦略も必要になる。きちんと売って利益が出る仕組みを築くことが重要だ」と見据えた。
 乳製品には最大年7万トンの低関税輸入枠が設けられた。全国的に原料の生乳が不足し、高騰にあえぐ。白石市で乳製品を製造する山田乳業の山田光彦常務は「原料不足の大きな要因は酪農家の後継者不足」と指摘。「安定的な原料確保へ向け、輸入品の導入が進むのではないか」とみる。
 一関市で館ケ森アーク牧場などを運営し、年間7万頭の豚を出荷する「アーク」は、TPP発効を念頭に輸出の準備を進め、今月、ベトナムへ豚肉200キロを初出荷した。
 橋本晋栄社長は「高品質の強みを生かしてブランドを確立したい。環境が整えば他国への展開も目指す」と意気込む。
 一方、「家族経営の小規模養豚家が苦境に立つようでは地域循環型農業は危機にさらされる」と懸念。「農家一律の負担金制度を導入するなどして、業界一丸で国産豚の販売促進を進めるべきだ。国も環境を整えてほしい」と訴える。
 湯沢市の「やまだアグリサービス」は2015年からコメを輸出している。市内の水田約116ヘクタールのうち約15ヘクタールが輸出用だ。18年産は中国とシンガポールに計約84トンを出荷する。
 国内より60キロ当たり1000円ほど価格は落ちるが、柴田為英社長は「国内消費が限られる中、海外の需要は高まる。販路構築に向け後れを取ることはできない」と力を込める。
 宮城県農協中央会の高橋正会長は「発効は誠に遺憾。生産現場の不安を助長することのないよう国には万全の国内対策を望む」との談話を出した。


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2018年12月30日日曜日


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