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糖尿病、対話マップで改善 仙台の山田伊津子さんを欧州学会が表彰

糖尿病教育の功績が認められ、表彰された伊津子さん(左)と憲一さん
伊津子さんが考案した糖尿病対話マップ

 糖尿病の患者教育に長年貢献した人をたたえる欧州糖尿病学会のグイード・ルフィーノ賞を、山田憲一内科医院教育研究所(仙台市青葉区)室長の山田伊津子さん(66)が受賞した。医療者ではないが「糖尿病対話マップ」を考案。内科医で夫の憲一さん(68)と二人三脚で、患者の生活習慣改善に取り組んできたことが評価された。

 憲一さんは1991年に多賀城市で医院を開業し、糖尿病患者向けの教室を定期的に開催してきた。「内容を充実させたい」という憲一さんの希望を受け、伊津子さんは2006年に患者と医療者の対話ツールとしてマップを描いた。開業時から毎月、待合室に自作の詩と絵を展示してきた経験を生かした。
 「あの丘をめざして」と題したマップは緑と青を基調とした水彩画で、A3判の大きさ。麓での「糖尿病といわれたあなたは」という問い掛けに始まり、病状や問題点を認識しながら丘の上にある「夢と目標」にたどり着く。九つの質問があり、患者が自分の言葉で語ることが重視される。
 憲一さんは「患者が生活習慣を見つめ、行動を変えたり病気をコントロールしようとしたりするきっかけになる」と話す。実際、60代の男性患者は「生まれたばかりの孫のために元気で長生きしたい」と食生活改善に取り組むようになったという。
 伊津子さんは12年にスイス・チューリヒ大を訪ね、病気と自己の位置関係をボードと二つの円で表現するツール「PRISM(プリズム)」の手法を学んだ。医院でマップと併用した療養教育も始め、夫婦共同で国際学会で成果を発表している。
 授賞式は10月、ドイツであった。伊津子さんは「患者さんと共に積み重ねてきたことが評価され、ありがたい。患者を支える人たちみんなへのエールだと思っている」と感謝する。
 糖尿病は初期に自覚症状が出にくく、治療の遅れにより重症化するケースもある。有病者は日本で約1000万人(16年・厚生労働省調査)、世界で約4億2200万人(14年・世界保健機関)と推計される。


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2018年12月31日月曜日


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