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<福島第1原発>デブリ取り出しへ重要工程 19年の廃炉作業

デブリの接触調査で2号機の原子炉格納容器に挿入する装置(東京電力提供)

 東京電力福島第1原発の廃炉作業は2019年、溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しに向けた二つの重要な工程に進む。デブリの状態を確かめる接触調査と、少量のサンプルの回収だ。順調に実施できれば、21年中を目標とする本格的な取り出し開始が見えてくる。

 1〜3号機のデブリの実態は、ほとんど分かっていない。燃料のウランと被覆材のジルコニウムがどんな割合で溶け合っているか、原子炉の構造材の鉄やコンクリート、核分裂反応を抑えるために投入したホウ酸とどんな化学反応をしたかが不明のためだ。
 接触調査はデブリの状態確認の第一歩として、19年2月に2号機で実施する。18年1月の調査で原子炉格納容器底部にデブリとみられる小石状や粘土状の堆積物があることが分かっており、つり下げ式の装置を挿入し、先端に付いた2本の「指」でデブリを動かす。

■飛散防止策も

 原子力損害賠償・廃炉等支援機構の山名元(はじむ)理事長は「簡単には砕けないような極めて硬いデブリも、砂状に崩れてつかめないほどもろいデブリもあり得る。事故当時の酸素や水蒸気の量なども影響するため予想は難しく、接触調査で確かめるしかない」と解説する。
 硬いデブリはレーザーなどで削ることになり、削りかすの飛散を抑える手だてが求められる。もろいデブリを効率的に集めるには、吸引など最適な方法を考える必要がある。接触調査の結果が、本格的な取り出しの方向性を左右する。
 一方、サンプル回収は19年度上期に1号機、下期に2号機で行う。

■水中に堆積物

 1号機は17年3月の調査で格納容器内部の水中に堆積物が見つかっている。東電は用途に応じた6種類のボート型装置を使い、内部調査とサンプル回収に挑む。ただ装置が回収する堆積物の表層は、放射線量などから溶けた炉内構造物の割合が多いとみられる。
 燃料由来のウランやプルトニウムを多く含むデブリが回収できそうな「本命」は2号機。接触調査と同じルートから最長約22メートルまで伸びるアーム型の装置を入れる。前回調査の映像に燃料集合体のハンドルが映っており、近くには溶けた核燃料があると推測される。
 19年度に回収予定のサンプル量は数グラム以下で、茨城県の専門機関で組成や構造を分析する。より安全かつ効率的に取り出す方法や、取り出し後の保管設備の設計にも生かせるという。
 東電は「これまではデブリの映像を見るだけだったので、詳しい性質が分からなかった。接触調査とサンプル回収は、廃炉作業で難易度の高いデブリ取り出しを進めるための重要なステップだ」と強調する。


2018年12月31日月曜日


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