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<東日本大震災>8度目の大みそか 新時代、命尊び光願う

仙台市若林区荒浜から中心部の高層ビルを望む。手前は震災後に整備された津波からの「避難の丘」

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から8度目の大みそかを迎えた。復興庁によると28日現在、全国の避難者は5万3709人。震災7年9カ月余の現実を前に、避難先での苦難の歳月を思う。
 年の瀬の夕刻、仙台市若林区荒浜を歩いた。高層ビルの明かりが、津波被害で人々の息遣いが消えた荒浜地区の暗闇を際立たせる。
 3.11前とは違った国に生まれ変わったか。震災関連死3701人を含む計2万2132人の犠牲者が生きたかった時を刻む資格を有しているか。天国からの問いに「はい」と即答できないわが身がもどかしい。
 <原発の事故に八年夢消えて死んだ牛たち夢に出てきて>。23日付の河北歌壇に掲載された相馬市の清水義宏さん(62)の歌だ。原発事故で将来を悲観し、乳牛70頭を二束三文で手放したという。
 「元酪農家の多くが、牛の話題が出るとテレビを消す。心の復興はまだ先」と清水さん。当事者にとっては「あの震災」でも「あの事故」でもない。今も忘れられない現実が現在進行形で続いている。
 あすから2019年。かけがえのない命と忘れてはいけない現実に思いをはせたい。


2018年12月31日月曜日


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