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<人口移動>北部から仙台市への転入、20〜40代で顕著 住宅事情や東西線開業など背景か

 仙台市と仙台都市圏北部の人口移動が仙台市への転入超過に転じたのは、住宅購入を考える20〜40代の動向が大きく影響したとみられる。都市圏北部の住宅事情、仙台市地下鉄東西線の開業、生活スタイルの変化など背景はさまざま指摘される。一時的な現象との見方もあるが、首都圏と同様に仙台圏でも「都心回帰」が進む可能性もあり、関係者は推移を見守る。

 仙台市と北部(富谷市、宮城県大和町、大郷町、大衡村)の20〜40代の転出入超過の推移はグラフの通り。転入超は20代が最も多く、30代も2016年までの転出超から傾向が一転した。
 転入と転出の推移を見ると、仙台市への転入は14〜17年で緩やかに増え、北部への転出は15年から急激に減った。転入超過は仙台市からの人口流出の鈍化が主な要因とみられる。
 富谷市の若生裕俊市長は「現象は一時的」と楽観視する。市内の住宅開発が端境期で高価格の物件しか販売がなく「富谷に住みたくても今は選択肢がないため、仙台からの転入が鈍ってしまった」と解説する。
 19年からは明石台東など富谷市内3地区で宅地開発が始まる。計画人口は合わせて約4500。若生市長は「これからも間違いなく人口は伸び続ける。仙台からの転入者も再び増えるだろう」と見通す。
 東西線の沿線開発が人口移動に影響を与えたとの見方もある。若林区の荒井、六丁の目両駅周辺は大規模な土地区画整理が行われ、住宅建設が相次ぐ。
 宮城県内の不動産市場を調査するシーカーズプランニング(仙台市)の佐々木篤社長は「北部人気は揺るがないと思うが、東西線沿線という選択肢が増えたのは確か。影響を受けてもおかしくない」と分析する。
 仙台市まちづくり政策局の梅内淳次長は若い世代の価値観の変化を挙げる。「マイカーを持たない暮らし方を選ぶ若者が増えている。今後はJR、市地下鉄の駅周辺など交通結節点に人口が集中する」と読む。
 注目するのは東北学院大のキャンパス再編。23年4月に泉区と多賀城市の両キャンパスを仙台市中心部に集約する。「都心回帰が進んでいる一つの表れ。仙台市への転入超過は一時的な現象という感じがしない」と語る。
 富谷市のまちづくりにも関わる宮城大事業構想学群の佐々木秀之准教授(地域経済学)は「都市圏の人口が中心地に集中するのは当然の流れ。周縁部の地域は個性を磨かないと、のみ込まれてしまう」と指摘。「住宅開発だけに頼らず、教育や福祉の充実などソフト面の魅力で、人を呼び込む工夫が必要ではないか」と提案する。

 仙台市と富谷市など仙台都市圏北部の人口移動が2017年以降、これまでの北部への転出超過から一転、仙台市への転入超過になったことが2日、分かった。


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2019年01月03日木曜日


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