広域のニュース

<2019東北経済展望>成長持続へ道筋つくか 増税と米中摩擦課題、被災地では倒産目立つ

 平成が終わり、新しい時代を迎える東北経済。好調な製造業と堅調な個人消費が景気を下支えする構図は2019年も変わらないと予想されるが、世界同時株安や米中貿易摩擦、10月に控える消費税増税は大きな不安材料だ。人手不足が深刻さを増し、東日本大震災の被災地では倒産も目立つ一方、ラグビーワールドカップなどプラス要因もある。成長基調でありながら波乱含みで、一進一退の局面が続く一年になりそうだ。

 日銀が18年12月に公表した東北の企業短期経済観測調査(短観)によると、景況感を示す業況判断指数(DI)は全産業で7だった。13年6月調査以降、プラスを維持している。
 けん引役の製造業では18年、半導体大手東芝メモリ(東京)が北上市で新工場建設に着手。トヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)は宮城、岩手両県へ生産を集約させ、地元企業に大きな波及効果があった。
 好調な生産活動が続けば人手不足はさらに大きな課題となる。東北経済産業局の相楽希美局長は「宮城、岩手両県で1万人が必要になる。中小企業の成長を妨げないよう、自治体などと話し合いながら地域での労働力の融通を進めていきたい」と力を込める。
 米中貿易摩擦による外需の減速、消費税10%への引き上げの影響も避けられそうにない。
 第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストは「2020年東京五輪・パラリンピックに向けた首都圏の建設投資の一巡も貿易摩擦と増税に重なり、秋以降は景気が後退する。東北経済も連動するだろう」と指摘する。
 被災地では復興需要が収束し、宮城や福島を中心に倒産が増加の兆しを見せる。被災した水産加工業者はグループ化補助金で工場を再建したが販路を回復できず、自己負担分の返済に窮する例が増えそうだ。
 帝国データバンク仙台支店の三角謙二情報部長は「企業は付加価値を見いだすなど一層の経営努力が必要」と指摘。「農水産物ならば東北は素材に恵まれ、海外需要もある。ラグビーワールドカップや五輪を契機に訪日客に味わってもらえるよう、行政にも工夫が求められる」と提言する。


関連ページ: 広域 経済

2019年01月03日木曜日


先頭に戻る