宮城のニュース

<私の元年>新時代に誓う(3)姉妹都市交流後押し

ブラジル料理を教える鴇田さん(右)

◎名取でブラジルの文化伝承 鴇田ミリアン由美子さん(51)=仙台市太白区=

 カマロン・ア・バイアナにパステウ、サグ・デェ・イテ・デ・ココ。耳慣れない名前の料理が次々に出来上がっていく。「本当はイタリアンパセリだけれど、今日は名取産のセリを入れましょう」。フライパンを囲む輪の中心に、笑顔が印象的な女性がいた。

 仙台市太白区の主婦鴇田ミリアン由美子さん(51)。名取市の愛島公民館で昨年12月12日、料理教室を催し、市内の野菜をふんだんに取り入れた母国ブラジルの料理を市民ら6人に伝授していた。
 1967年、サンパウロ州のスザノ市で生まれた。熊本県出身の祖父母が移民し、父母ともども、ブラジルで日本の伝統文化を伝えてくれた。日本への憧れが募り、95年に東北大に留学。地元の男性と結婚し、仙台市内に住み始めた。
 転機は2008年ごろ。ブラジル食品を買いに訪れた名取市でブラジル人の一家と知り合った。一緒に同市のボランティア団体で日本語を学んでいたところ、東日本大震災が発生。知り合いに頼まれ、同市の仮設住宅でブラジル料理を振る舞ったことが契機となり、集会所などで料理教室を開くようになった。
 鴇田さんは一家と知り合って1年ほどした頃、市役所で1枚の石版を目にしている。スザノ市と同じサンパウロ州のグアララペス市から贈られたもので、「名取と姉妹都市だったのか」と驚いたという。

 その後、ブラジルに住む母(80)と電話した際、父(故人)がグアララペス市在住だったと聞かされた。1929年の移民後に生まれた父は、幼少期に同市で生活。祖父母と共に、先にペルーに渡っていた曽祖父と再会を果たしたが、曽祖父はその35日後、同市で病死したという。
 「今、ここにいるのは、ただの偶然ではない。不思議な縁がある」
 母との電話の後、そう思うようになった鴇田さん。日本が改元する2019年は姉妹都市締結40年の節目でもある。丸40年となる5月31日に向け、市役所での歴史パネル展を計画するなど、団体の仲間と両市の結び付きを強めようと動く。
 仲間の1人、大野千晴さん(58)は「バイタリティーのある女性。一緒に40年目を盛り上げたい」と後押しする。(岩沼支局・桜田賢一)

[メモ]宮城県名取市は1979年、ブラジル・サンパウロ州グアララペス市と姉妹都市になった。閖上地区出身の移民が73年、市長メッセージを携えて一時帰国したことがきっかけだった。グアララペス市には名取市の名前を冠した公園もあり、交流が続いている。


関連ページ: 宮城 社会

2019年01月04日金曜日


先頭に戻る