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<J1強豪を支える宮城工高OB>交流半世紀近く 互いの存在励み

 1973年に高校で初めてチームメートになった2人は、1年前の仙台市中体連の大会からお互いの存在を知っていた。「高砂中にうまいやつがいる」(庄子春男氏)「市内で一番強かった西多賀中の主将は意識していた」(鈴木満氏)。半世紀近い交流が始まった。

◎鈴木氏「誤った評価、組織が腐る」/庄子氏「戦力厚過ぎず、薄過ぎず」

 高校は3年間同じクラス。「成績は俺より満の方が良かった」。庄子氏が認めれば、鈴木氏は「庄子より下にならないように勉強していた」と笑顔で返す。
 レベルが高い選手が集まった世代だったが、3年で全国高校総体、全国選手権に出られず、県内の主要大会は軒並み準優勝。庄子氏は「主将の自分が悪かったのかな。てっぺんを取れないのは高校時代から。なんか、持っていないな」とばつが悪そうだ。
 共にJクラブの強化に携わり、互いの存在が励みになった。常に結果を出し続けなければならないチームづくりは大変な作業だ。華やかな舞台の裏で、神経をすり減らしながら強豪クラブを築き上げた。
 川崎の庄子氏は「戦力は厚過ぎず、薄過ぎず」が基本。選手や監督との距離感も「遠過ぎず、近過ぎず」。絶妙なバランスを取る。選手の立場によって接し方は変える。試合から遠ざかっていればサッカー以外の話題を振り、出場機会を得た選手は褒める。中心選手には期待を込めてあえて厳しい注文をする。
 現場の空気に敏感だ。2011年、当時の相馬直樹監督(現J2町田監督)が8連敗を喫したが、解任しなかった。「現場の気持ちが離れていなかった。戦い方もぶれていない」のが理由だ。しかし、翌年開幕から2勝1分け2敗の成績で解任。「内容が良くなかった」のが理由。成績うんぬんではない。「今までで一番きつかった仕事」と振り返る。
 鹿島の鈴木氏は組織を最優先する。「頑張ったやつがしっかり評価される。ずるをするやつがいて、誤った評価をすれば、組織は腐る」が持論だ。「鹿島は実家」。選手に帰属意識を持たせることに力を注ぐ。高校の後輩に当たる佐藤洋平GKコーチらOBを指導者として迎え入れ、伝統をしっかり守る。
 国内主要大会とACLを含めて20冠。それでも「勝てない時期もあるし、いつも苦しい」と本音を漏らす。
 Jリーグは群雄割拠が続き、アジアに目を向けても中国や中東のクラブが桁外れの資金力を持つ。助っ人の補強も容易でない。近年はG大阪、清水、名古屋とJ発足時から所属するクラブが降格を経験。「力の拮抗(きっこう)に拍車が掛かっている。一歩間違えれば人ごとではない」と危機感を隠さない。
 2人の息抜きは仙台で開かれるサッカー部の同級会。それぞれのチームのアウェー仙台戦に合わせて年2回開かれる。庄子氏は「帰省した時のゴルフが一番楽しい」と笑い、鈴木氏は「茨城に住んでいても高校野球は宮城代表を応援する」と胸を張る。サッカーへの情熱と郷土愛は冷めることがない。


2019年01月05日土曜日


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