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<私の元年>新時代に誓う(4)起業志望の住民育成

富谷市主催のわくわく市民会議に参加する斎藤さん(左端)。地域の活動にも積極的に関わり、コンシェルジュの活動に生かす

 新しい時代が春に始まる。少し特別な年明けに、きりりとした気持ちで飛躍を誓う人たちがいる。大舞台への挑戦、古里の再生、祖国との橋渡し。思い思いの夢を目指してスタートラインに立つ。

◎「とみぷら」コミュニティコンシェルジュ 斎藤知幸さん=富谷市=

 富谷市の未来を担う施設「市まちづくり産業交流プラザ」(とみぷら)が昨年7月、旧富谷町役場を全面改修して誕生した。
 「起業・創業を支援し、交流とにぎわいを生み出す拠点に」と市が重点事業と位置付けて整備。3階建ての建物に、専有・共有の仕事スペースを貸し出すシェアオフィスやラウンジ風のフロアなどが入る。

 生まれ変わった街の顔に昨年10月から常駐し「コミュニティコンシェルジュ」として案内役を務めるのが斎藤知幸(ちゆき)さん(38)。新施設の利活用策に知恵を絞り、起業志望者でつくる富谷塾の塾生の育成に励む。
 求人案内に引かれ、新潟から移り住んだ斎藤さん。富谷に来て3カ月余りだが手応えを感じている。
 「新しいものを受け入れてくれる土壌があり、計画がどんどん進む。塾生ら気概を持った仲間がいるのも心強く、一週間が始まるのがいつも楽しみ」
 昨年11月には初めての夜市を開いた。とみぷらが立ち、宿場町の面影が残る「しんまち通り」の活性化を目指した企画だ。塾生有志も菓子や農産物販売などの店を出した。「起業への思いを形にするのが私の仕事」。そんな考えから、実践の場づくりに奔走する。
 今月23日には、女性たちによる「マママルシェ」がとみぷらである。企画書や予算書作りを手伝い、ネイルや着付け体験などの出店にこぎ着けた。

 市経済産業部部長の荒谷敏さん(57)は「デザイナーならではの組み立て方で、多彩なアイデアを次々に実行し、活動の幅を広げている。今後も市の産業振興につながるような活動に期待したい」と語る。
 斎藤さんは富谷に来る前、新潟県の山間地で、地域おこし協力隊員を務めていた。旅行商品や土産品の企画開発に心血を注いだが、最終段階で任せてもらえなかった。「主役はあくまで住民。住民が主体になるような進め方をすべきだった」と振り返る。
 「自分は触媒となってさまざまな思いを持った人をつなげ、起業やにぎわいづくりをサポートする」。苦い経験を糧に、新天地での誓いを新たにする。(富谷支局・藤田和彦)

[メモ]新潟市出身。新潟大を卒業後、会社員を経てインテリアデザイナーとして独立し、銀座三越(東京)の新館新築事業などに参画。イタリアで1年間伝統料理を学んだ経験も。とみぷらの運営委託先で、地域課題の解決に取り組む企業あわえ(徳島県)の職員として勤務する。


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2019年01月06日日曜日


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