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<私の元年>新時代に誓う(5)異文化理解地方から

サンタの帽子をかぶり、英語を交えて園児と遊ぶタイラーさん

 新しい時代が春に始まる。少し特別な年明けに、きりりとした気持ちで飛躍を誓う人たちがいる。大舞台への挑戦、古里の再生、祖国との橋渡し。思い思いの夢を目指してスタートラインに立つ。

◎国際交流員 タイラー・ギルバートさん(26)=七ケ浜町=

 「This is snowman」
 絵入りカードを1枚ずつ示して正誤を尋ねる「○×クイズ」。○か×か、答えるのは幼児たち。当たっても外れても歓声が上がる。
 宮城県七ケ浜町国際交流員で米国人のタイラー・ギルバートさん(26)は町のグローバル人材育成プログラムの一環で、町内の幼稚園や保育所で英語を教える。一緒に歌や踊りも楽しむ。

 「勉強より遊び。英語や外国人に慣れる触れ合いの機会。興味を持ち、苦手にならないように」とよどみない日本語で話す。「幼い子には『壁』がないから、すぐ仲良くなれる」
 訪れる先の一つ、遠山幼稚園の渡辺みゆき副園長は「タイラー先生は明るくて親しみやすい人気者。来ると園児たちの目が輝くの」と笑う。
 「世界にはいろいろな文化があり、さまざまな人々がいて、素晴らしい体験ができる」
 体験で培った信念がタイラーさんを動かす。「異文化に触れると刺激になる。子どもだけじゃない。大人も生活や生き方を深く考え、改善できる」
 ロサンゼルス出身で、大学で日本語を学んだ。留学を含めて日本在住は通算4年目、七ケ浜町国際交流員になって3年目だ。明治期から高山外国人避暑地がある同町で、国際理解や交流を図る事業に関わる。

 中でも力を注ぐのは、町在住や観光で訪れる外国人への情報発信。町のフェイスブックの英訳をはじめ、町内の公共施設や店を紹介する観光パンフレットの初の英訳版を作成している。今年は英語で町のイベントカレンダーを作るのも目標だ。「内容が分かれば参加したい外国人がいるかもしれない。町民も交流を深められる」と目を輝かせる。
 言葉の壁は身近にも存在する。タイラーさんの母親はまだ来日していない。理由は「日本語が分からず怖い」。地方都市で英語が通じるのか不安らしい。情報発信を通じ「外国人の助けとなり、町民の英語力も上げたい。七ケ浜が外国人にとっても良い町になれば」と力を込める。
 上司で七ケ浜国際村の高橋勉事務局長は「何にでも果敢に挑戦する。頼もしい」。職場の仲間の応援も受け、チャレンジは続く。
(塩釜支局・松田佐世子)

[メモ]初来日の際の留学先は岩手大。盛岡市に住み、世話役は青森県出身の学生だった。現在携わる町の事業は5月に催す「インターナショナルデイズ」、小中学生向け「イングリッシュ キャンプ」、米国プリマスとの姉妹都市交流など。今年はプリマス側を受け入れるホームステイ先の研修を担当する。


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2019年01月07日月曜日


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