宮城のニュース

<まちかどエッセー・小野寺志乃>いつか出会うその日まで

[おのでら・しのさん]2013年慶応大大学院政策・メディア研究科修了。一般社団法人FLAT代表理事。デジタル工作マシンを備えた工作室「FabLab SENDAI−FLAT」の運営のほか、ワークショップやプロダクトのデザインなどに携わる。趣味は立ち飲み屋巡り。1989年、仙台市生まれ。仙台市太白区在住。

 幼い頃から食い意地が張っている私。物語や図鑑よりも料理に関する本が好きで、風邪などで学校を休んだ日には自宅にあるさまざまなレシピ本を片っ端から読むのが常でした。
 その性格は今でも変わらず、「あれはいったいどんな味なんだろうか。一度食べてみたいなぁ」といつも食べ物のことを考えているので、そういう意味では恋多き女なのかもしれません。
 そんな私ですが、ここ数年いちずに思い続けている食べ物もあります。
 一つは、ズッキーニの花のフリット。キュウリに似た見た目で、夏によく食べられるズッキーニ。その花の中にチーズやハムを詰め、薄い衣をまとわせフリットに仕上げるという料理が世の中にはあるのだそう。
 軽い歯触りの衣、ほんのり甘く緑の香りを放つ花、そして全てを包み込むトロトロのチーズ! 口にしたことが無いにもかかわらず、こんなにもおいしさを容易に想像できる食べ物は他にどれだけあるのでしょうか。そんなズッキーニの花の旬は春〜初夏。今年こそはそのチャンスを逃さないよう、今から予定を入れておきたいと思います。
 そして、もう一つの憧れの食べ物は蜂の子。その名のとおり、蜂の幼虫です。
 出会いは、子どもの頃に読んだ『ゲテモノ図鑑』という記事。世界各地で食べられている虫や爬虫(はちゅう)類について事細かに書かれており、サソリやタガメが屋台で売られている文化があることに非常に衝撃を受けたものです。
 戸惑いながら読み進めていくと、最後に登場したのが日本の蜂の子。幼虫のみっしり詰まった巣をしょうゆで甘辛く煮て、ご飯にたっぷりかけて食べるというものでした。
 蜂の子はとてもまろやかでプチプチとした歯触りも楽しく、どうにもご飯が進んで仕方のない食べ物なんだとか。やや躊躇(ちゅうちょ)する見た目でしたが、それを食べている人々の写真を見ると皆、顔がほころんでいるのです。さぞかしおいしいものなのだろうと、今もずっと思い続けているのです。
(ファブラボ センダイ・フラット運営)


2019年01月07日月曜日


先頭に戻る