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<戊辰戦争150年>新庄藩の判断、舞台裏探る 郷土史家の坂本さん自費出版

「戊辰戦争と新庄藩 上」を自費出版した坂本さん

 山形県新庄市の郷土史家、坂本俊亮さん(67)が戊辰戦争時の新庄藩(6万8000石)の立場を考察した「戊辰戦争と新庄藩 上」を自費出版した。当時の新庄藩の動きを紹介した本は近年、ほとんど出ていない。著作では勤皇の藩論でまとまっていながら奥羽列藩同盟へ参加し、後に新政府軍に付くことになった舞台裏を探っている。

 坂本さんによると、新庄藩は開戦当初、新政府軍には反抗できないと判断。11代藩主の戸沢正実(まさざね)の母が薩摩藩の島津家から嫁いでいることなどへの考慮もあった。しかし、藩は東に仙台藩(62万石)、西に庄内藩(17万石)、南に米沢藩(18万石)など同盟側の諸藩に囲まれ、交通の要衝にあるため、同盟に加わらざるを得なかった。
 その後、新政府軍に転じて「及位(のぞき)・金山の役」(山形県真室川町・金山町)などで同盟軍と戦った。それにもかかわらず、新庄藩は新政府軍から戦いの最前線に送られ、捨て駒のように扱われ、新庄城は庄内藩により城下を焼き尽くされてしまった。
 坂本さんは「新庄藩は新政府軍に寝返り、勝ち組にはなったが、代償も大きかった。藩の規模が小さく、本音を隠さざるを得なかった藩の究極の判断、人々の生きざまに迫りたいと考えた。地域の歴史の掘り起こしになればいい」と話した。
 下巻は正実が秋田へ逃れた後の秋田戦線のことなどを年内にまとめる予定だという。
 A4判194ページ。300部作製。2000円。新庄市や天童市の書店などで取り扱う。連絡先は坂本さん0233(29)2118。


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2019年01月07日月曜日


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