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宮城・大和の県産廃最終処分場、25年度にも満杯に 新施設の必要性慎重に検討

大和町にある産業廃棄物の最終処分場。2カ所の埋め立て地は既に満杯となり、第3埋め立て地に産廃が搬入されている

 宮城県環境事業公社が管理運営する産業廃棄物の最終処分場(大和町)が間もなく満杯になる。2025年度にも受け入れの限度を迎える見通しだ。新たな処分場を求める声が上がるが、県内には複数の民間最終処分場もあり、県は新処分場整備の必要性を慎重に探る。

 最終処分場の容量の残余率の推移はグラフの通り。17年度末時点の残余率はわずか7.0%(約75万2600立方メートル)。12〜14年度には東日本大震災で発生した県内の災害廃棄物約11.8万トンを埋め立て、残余率が大幅に下がった。
 公社は16年3月、10年間の新たな運営計画を策定。これまでの受け入れ実績を踏まえ、25年度に産廃受け入れが限界に達するとの推計をまとめた。
 県は最終処分場の在り方を話し合う検討懇話会を昨年11月末に設置。議論を始めた背景には、全国的に相次ぐ大規模な自然災害がある。昨年7月の西日本豪雨でも災害廃棄物の処理は大きな課題となった。
 関係者によると、県内8カ所の民間最終処分場の多くが、関東など県外から産廃を受け入れている。大量の災害廃棄物を短期間に受け入れると残余率が一気に低下する可能性があり、民間事業者が受け入れをためらうケースも考えられるという。
 宮城県産業廃棄物協会の鈴木昇会長は「公社とはすみ分けができている。協会としては公的な最終処分場は必要との立場」と一定の理解を示しながら「民業を圧迫しないことが条件」とくぎを刺す。
 「稼働するまでには少なく見積もっても最低10年はかかる」(宮城県幹部)とされる最終処分場。東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質で汚染された廃棄物処理がなかなか進まず、議論開始が遅れたとの見方もあり、残された時間は決して長くない。
 県は、検討懇話会などの意見を踏まえ、19年度半ばにも新たな処分場の基本方針を取りまとめる方針。議論加速を求める声もあるが、「処理業者や排出事業者の意見を広く聞き、方向性を決めたい」(県循環型社会推進課)と慎重だ。

[宮城県環境事業公社の産廃最終処分場]宮城県大和町鶴巣の山あいにあり、敷地面積は約150万平方メートル。埋め立て可能容量は約1073万立方メートルで1979年7月に受け入れを始めた。敷地内にある三つの埋め立て地のうち、二つは既に埋め立てを終えた。


2019年01月08日火曜日


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