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交番襲撃繰り返させない 逮捕術新要領、仙台南署で初の訓練「不意打ち」対策学ぶ

刃物を打ち払う訓練をする警察官=9日、仙台南署

 仙台市などの交番で昨年、警察官が刺殺される事件が相次いだことを受け、警察庁は昨年暮れに逮捕術訓練要綱を改訂し、交番襲撃などを想定した新たな指導要領を策定した。新要領に基づく宮城県警初の訓練が9日、仙台南署であり、対応能力の向上を図った。県警は3月までに県内全24署で実施する。
 逮捕術は、空手や剣道などを組み合わせた警察独自の武術。南署での訓練には主に交番勤務の署員約40人が参加した。2人一組で突き出された刃物を打ち払ったり、刃物を持つ腕を抑えたりする動作を繰り返し、新たな技術の習得に励んだ。
 術科指導室の名生(みょう)伊智郎術科指導官は「2度と同じような事案を発生させないよう訓練を重ね、とっさの攻撃をさばく動きを身に付けてほしい」と話した。
 仙台市宮城野区の仙台東署東仙台交番で昨年9月に起きた事件では、犯人が「現金を拾った」と警察官に接近し、不意打ちで刺殺。これを踏まえ、新要領は近距離攻撃への対策に特化し、致命傷を回避する技術や突然の攻撃への気構えなどが盛り込まれた。
 県内では2005年、登米市の佐沼署米山駐在所で警察官が中学生に刺される事件が発生。直後は警察官の自己防衛意識が高まったが、「10年以上が過ぎ、事件の記憶が風化しつつあった」(県警幹部)中で東仙台交番の事件が起きた。
 仙台での事件後、県警は武術に秀でた教養課術科指導室の職員を各署に派遣。道場だけでなく交番や駐在所でも訓練を実施し、より実戦的な技術指導を続ける。担当者は「職員の間で『もはや人ごとではない』と再び意識が高まった」と説明する。
 警察庁は都道府県警に新要領に基づく早期の訓練実施を求めている。


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2019年01月10日木曜日


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