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<この人このまち>ハッカ復活 高擶を爽快に 地域盛り上げるプロジェクトリーダー

長谷川喜久(はせがわ・きく)1963年山形市生まれ。鈴鹿短大(三重県鈴鹿市)家政学科卒。嫁ぎ先のサクランボ、ラ・フランス農家を手伝う傍ら天童市農業委員、市食育推進委員を務める。

 城下町の面影を残す天童市高擶(たかだま)地区で、明治期に盛んに栽培されたハッカ。廃れた地域資源を有志が今によみがえらせた。天然由来の爽快な香りは幅広い世代を引き付け、多彩な発想が新たな取り組みの展開につながる。まとめ役の長谷川喜久さん(55)に聞いた。(山形総局・菊地弘志)

◎高擶ハッカで地域を盛り上げるプロジェクトリーダー 長谷川喜久さん(55)

 −語呂合わせの「ハッカの日」があるそうですね。
 「昨年1月から毎月20日夜、天童市高擶公民館に集まり楽しくやっています。乾燥させたハッカから油を抽出する蒸留作業を体験したり、利活用の妙案を話し合ったり。飛び入りも大歓迎です」

 −ハッカとの出合いは。
 「2015年に市などが主催した講座を受講し、明治期には高擶地区が国内屈指のハッカ産地で、後に衰退した歴史を知りました。全国に名高い北海道北見市の北見ハッカは、明治中期に屯田兵として高擶から北海道永山村(現旭川市)に渡った石山伝次郎氏が伝えたハッカが道内各地に波及したそうです」
 「注意して見てみると、ハッカは田んぼのあぜ道に自生していました。公民館の地域づくり委員会活動の一環で歴史に詳しい仲間と『ハッカの風再びプロジェクト』を旗揚げしました。埋もれた物語をまずは周囲に発信しようと17年春、公民館の花壇にハッカの苗を植えました」

 −その後どのように広がったのですか。
 「昨年の夏休みに公民館で開講させたのが『ハッカの学校』。高擶小6年の三十数人が、プロジェクトの特色やハッカの魅力を伝えるリーフレットを作ってくれました。子どもたちの提案を受け、10月の公民館文化祭でハッカ茶を振る舞う『ハッカカフェ』を開催したところ、大盛況でした。子どもたちが地域への愛着や誇りを抱く一歩になったと信じています」
 「山形県農林大学校(新庄市)や東北芸術工科大(山形市)の学生も加わり、加工やデザインなどに知恵と力を貸してくれています。メンバーはシニア中心のため若い感性は心強い限りです」

 −今後の展望は。
 「昨年10月、プロジェクトのメンバーら約10人で『高擶薄荷(はっか)爽草(そうそう)の会』をつくりました。高擶小学区内に大規模な住宅地が造成されました。ハッカを切り口に新旧住民の交流を盛んにしたいですね」
 「ゆくゆくは600年前の室町時代に築かれた高擶城跡とハッカを組み合わせた観光プランや、地元そば店と連携したハッカのてんぷらのメニュー化、ルームスプレーの製品化を考えています」


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2019年01月14日月曜日


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