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<梅原猛さん死去>憲法9条「人類の理想」 戦争反対訴え続ける

 梅原さんは、戦争反対の姿勢を貫いた哲学者だった。故小田実さんや故井上ひさしさんらと共に市民団体「九条の会」設立の呼び掛け人に名を連ね、人類の理想として憲法9条の意義を訴えた。
 16歳の時に太平洋戦争が始まり、常に死を意識せざるを得ない青春時代を過ごした。勤労奉仕先の名古屋の工場で空襲に遭った時には、弾が命中した防空壕(ごう)に入っていなかったため、九死に一生を得た。だが、共に働いた多くの学生が死亡したという。
 「負ける戦争でなぜ死ななきゃいけないのかという深い懐疑が、哲学をやる動機になった」と語っていた梅原さん。憲法9条には「人類の未来の理想が含まれている」と指摘し、その理想を否定すれば、日本は“普通”の国になってしまうと危機感を募らせていた。
 表現の場でも平和を追求した。反戦をテーマに書いたのが、2003年の新作狂言「王様と恐竜」。国内だけでなく、パリでも上演し、好評を博した。同年、京都市を中心に活動する文化人や芸術家がイラク戦争反対などを訴えて発表したアピール文の賛同者の一人にもなった。
 梅原さんは17年5月、初代所長を務めた国際日本文化研究センター(京都市)の創立30周年を記念して講演。「平和の伝統を日本は引き継がなくてはならない」と力強く話した。


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2019年01月15日火曜日


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