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福島・浪江の農業再生、学生が探る 東京農大と町が連携、AIやSNS活用、アイデア次々

トルコギキョウの植栽ハウスで川村さん(左)の説明を聞く東京農大生

 福島県浪江町と東京農大が月末に連携協定を結ぶのに先駆け、同大の学生約50人が13日、浪江町を訪れて農家とディスカッションした。東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示が2017年春に一部で解除された町の農業再生に向け「SNS(会員制交流サイト)で発信を」「大学に浪江サークルをつくる」など次々とアイデアを繰り出した。
 教授らを含めた一行は、東日本大震災の津波被害に遭った町内を視察。幾世橋地区でトルコギキョウを中心に花き栽培を営む川村博さん(63)のハウスで現状の説明を受けた。
 川村さんは福祉・介護の世界から原発事故後に花き栽培に転じた理由などに触れ、「浪江には上を向いて踏ん張っている人たちもいる。面白いことをやっていればIターンも増える」と学生の質問に答えた。
 この後、地域スポーツセンターで座談会があり、6グループに分かれて農業者と意見を交わした。
 人材不足など課題を聞いた学生は「AI(人工知能)やスマートフォンを用いたハウスの温度管理」「浪江ブランド確立のため消費者との直接交流」「耕作放棄地に野球のバット材料になるアオダモの植栽」といったアイデアを発表。農家側からは「町に大学の研究施設をつくってはどうか」などと意見が上がった。
 東京都出身で農学部1年の明石乃莉香さん(20)は「ニュースを見て暗いイメージを抱いていたが農業を楽しみ未来に向かっている姿を実感した。被災が忘れられているので何度も浪江を訪問することが大事」と話した。
 浪江町出身で生物産業学部3年の紺野喜弘さん(23)は「内容が濃く、町の実態をより理解できた。生家が酒店だった。町で再開できるのか考えるきっかけにもなった」と語った。
 町と大学は31日、浪江町役場で協定を締結する。


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2019年01月15日火曜日


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