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奇習「たらじがね」継承に奮闘 震災で中断、大船渡・崎浜集落の子育て世代支える

家々を回って子どもたちを戒める「たらじがね」

 大船渡市三陸町越喜来(おきらい)地区の崎浜集落で14日夜、鬼が荒々しい声を響かせて家々を練り歩く、小正月の奇習「たらじがね」が行われた。東日本大震災で中断していたが、子どもたちの郷土愛を育もうと数年前に再開。子育て世代が被災した浜の伝統を受け継いで奮闘している。
 たらじがねは、鬼面にみのをまとい、腰にアワビとホタテの貝殻をぶらさげた異形で一年の豊漁などを祈願する。「たら」は「俵」が語源で、「じがね」は頑固で怖いおじいさんの意とされる。
 恐ろしげな形相で「悪い子はいねえか」と子どもたちを戒める様は、近隣の三陸町吉浜地区に伝わる「スネカ」にも通じる。
 地元住民によると、しばらく途絶えていたが十数年前に復活。北里大三陸キャンパスに通う学生が手伝ったり、地元崎浜小の子どもたちが冬休みの宿題で面を作って参加したりした。
 しかし震災で、集落の世帯は約180戸と4割も減少してしまった。キャンパスの移転で学生たちがいなくなり、崎浜小も近隣の越喜来小に統合された。
 地域の活気が失われる中、幸いにして面などの道具類は被災を免れた。これを知った若い親らが立ち上がり、伝統を受け継いだ。
 震災後にUターンした会社員滝沢桂史さん(32)は「狭い地域でも楽しみながらやっている。絶やしたくない」と行事を継承していく決意を語った。


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2019年01月16日水曜日


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