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大槌町旧庁舎解体差し止め訴訟、あす判決 地方財政法の解釈焦点

岩手県大槌町の旧役場庁舎

 東日本大震災の津波で当時の町長や職員多数が犠牲になった岩手県大槌町の旧役場庁舎を解体する判断は違法として、平野公三町長に工事と公金支出の差し止めを求めた住民訴訟の判決が17日、盛岡地裁で言い渡される。地方公共団体による財産の効率的運用を定めた地方財政法上の解釈が、判断の焦点となる。

 震災遺構の解体の是非について司法判断が示されるのは初めて。拙速な解体に反対する住民団体「おおづちの未来と命を考える会」の高橋英悟代表らが訴えていた。
 原告側は旧庁舎は震災遺構として社会的、経済的、文化的価値が高いと指摘。価値を十分検討しない解体決定は裁量を逸脱しており、法律上の注意義務に違反するとの主張を展開した。
 平野町長側は「旧庁舎保存の必要性を深く検討しなかったことはない」と反論。町提出の解体予算案を議会が可決しており、民主的な手続きを経ているとして請求の棄却を求めた。
 原告側は解体費を当初予算案に計上せず、当初予算の可決直後に補正予算案として提出した判断や、解体に先立つアスベスト(石綿)除去工事を随意契約とした手続きについても地方自治法に反すると訴えた。
 高橋代表らは2018年6月、町監査委員に解体工事差し止めの住民監査を請求したが7月に棄却(一部却下)となり、8月に住民訴訟を起こした。
 一方、平野町長は解体工事について「判決日を考慮に入れず、準備ができ次第進める」と表明。旧庁舎本体の解体に先立って15日、備品取り外しに着手した。


2019年01月16日水曜日


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