福島のニュース

<阪神大震災24年>二つの被災地、歌でつなぐ 「しあわせ運べるように」福島の子たち歌い継ぐ

「しあわせ運べるように」を合唱する子どもたち=11日、二本松市

 福島県二本松市の合唱団で、阪神大震災直後に神戸市で生まれた復興ソング「しあわせ運べるように」が歌い継がれている。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で被災した福島の子どもたちが、570キロ離れた二つの被災地を歌でつなぐ。

 「地震にも負けない 強い心を持って 亡くなった方々の分も 毎日を大切に生きてゆこう」
 二本松市の「福島しあわせ運べるように合唱団」の歌声が11日、同市勤労福祉会館に響いた。合唱団は鎮魂と防災学習を兼ねて3月27〜29日に神戸市を訪問し、現地の小学校で歌を披露する。本番に向け、練習は熱を帯びている。
 練習の合間、子どもたちは二つの被災地の写真を歌詞と見比べながら「ビルの倒壊とか、阪神大震災の教訓があったから自宅が倒れなかったのかも」などと話し合った。
 合唱団の日大東北高1年村田天音(あまね)さん(16)は、津波の犠牲になった南相馬市小高区の曽祖母と祖父母への思いを伝えた上で「震災で残ったもの、残らなかったもの…。思いを歌に込めよう」と呼び掛けた。
 「しあわせ運べるように」は、神戸市で被災した同市東灘区の小学校教諭臼井真さん(59)が作詞作曲。1995年2月、当時の勤務先で、避難所になっていた同市吾妻小で発表した。市内の小学校に瞬く間に広がり、毎年1月17日の追悼式典で歌われている。
 二本松市の合唱団は2015年、同市杉田小合唱部の元音楽科教諭佐藤敬子さん(54)の呼び掛けで発足した。メンバーは同小児童や卒業生計38人。小1〜高1と年齢層は幅広い。
 同小には福島県浪江町と南相馬市から避難した子どもたちが通っていた。いずれも震災と原発事故で深刻な打撃を受けた地域だ。子どもたちを励まそうと、佐藤さんは13年9月に臼井さんを招き、特別授業で復興ソングを教えてもらった。卒業後も歌い継げるように合唱団を設立したという。
 合唱団は3月の神戸訪問時、臼井さんにも会う予定。佐藤さんは「二つの被災地に共通する記憶や亡き人を思う気持ちを、歌を通じて子どもたちに伝え続けたい」と話す。


関連ページ: 福島 社会

2019年01月17日木曜日


先頭に戻る