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<東日本大震災>がん克服と復興を重ねて メルマガ執筆の男性、被災地を思い闘病の力に

「青臭さのすすめ」のゲラを手に、病と向き合う中で得た気付きや被災地再生への思いを語る花木さん=昨年12月30日、仙台市

 メールマガジン「3.11を忘れないためにできること」の執筆など、文章発信を通して東日本大震災からの再生を後押ししてきた千葉県柏市の会社員花木裕介さん(40)が咽頭がんを克服し、「原点に立ち返る」と昨年末に石巻市などの被災地を訪ねた。震災と向き合いながら重ねた自問自答や学びが病を乗り越える力につながったとの思いを、近く発行予定の本につづっている。

 花木さんは昨年8月、メルマガで「ついに治療が完了となりました」「次の一歩を踏み出せそうです」などと報告した。
 がんの宣告を受けたのは2017年11月。闘病中は「38歳2児の父、まさかの中咽頭がんステージ4体験記! がんチャレンジャーとしての日々」と題するブログを書いてきた。「年末、東北に行ってきました」との書き出しで、今年最初のメッセージを4日にアップした。
 「(がんと闘う)僕の実名顔出しの発信のきっかけは、7年前に始めた震災の復興応援活動」。被災地に思いを寄せる発信の取り組みを続けてきたことが「今回の治療を前向きにやりきる力を醸成してくれた」とつづった。
 5年ぶりに訪れた石巻や女川の復興は順調に見えたとしながら、震災の爪痕が今もはっきりと残っていると感じた。「失ったものを建て直すのは、やはり並大抵なことではない」と思いを記した。
 治療中に出版企画書の作成を思い立ったという本のタイトルは「青臭さのすすめ〜未来の息子たちへの贈り物〜」。
 がんと向き合う中で多くの気付きがあり、被災地を思う自分なりの実践がその源泉だったなどと、未来を生きる8歳と5歳の息子2人に語り掛ける手法で約200ページにまとめた。今月末に刊行の予定だ。
 震災後の発信を通して大事にしてきた感謝、思いやり、応援、利他の心−といったキーワードをあえてタイトルで「青臭さ」と言い表した。花木さんは「青臭いメッセージが治療・療養生活のつらい時期に私を支えてくれた」と話した。


2019年01月17日木曜日


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