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<新市新時代へ 富谷市長選20日告示>愛着持てるまち目指す 

市民協働セミナーで富谷のまちづくりを語り合う市民たち

(下)脱ベッドタウン

 任期満了に伴う宮城県富谷市長選(20日告示、27日投開票)が目前に迫った。旧富谷町の人口増に伴い、単独で市制施行して2年3カ月。成長著しい自治体と注目される一方、都市基盤の確立はこれからだ。市が目指す「住みたくなるまち日本一」には、何が求められるのか。新時代に臨む新市の課題を探った。(富谷支局・藤田和彦)


 急成長から低成長へ。
 若生裕俊富谷市長は今年の年頭訓示で、時代の転換期に入ったことを意識するよう職員に促した。平成の30年間で市の人口が約2万1000から約5万2500に倍増したことに言及。「今後これまでのような急激な発展は難しい」との認識を示した。

<人口増に陰り>
 富谷市は2045年の人口が国立社会保障・人口問題研究所の推計で5万6822とされ、東北の市町村で唯一、15年の国勢調査時よりも増えると見込まれる。
 しかし、市長の年頭訓示と同じ4日。18年12月31日現在の人口が5万2569と前年を71人下回り、52年ぶりに減少したことが分かった。
 計画人口計約4500の新たな宅地開発を控えており、一時的な減少との見方があるものの、年1000人規模で増え続けてきた勢いの鈍化は避けられない。
 低成長時代に求められるのは、住民が富谷に愛着を持って住み続けるかどうか。「仙台市富谷区」とやゆされることもあるベッドタウンからの脱却を目指し、地元意識の醸成を図る市の取り組みが、16年の市制施行後に次々と動き始めた。
 特産のブルーベリーを生かそうと始まった国際スイーツ博覧会、全国でも例がない市役所屋上での養蜂、江戸時代以来の復活を目指す富谷茶プロジェクト。20年に迎える宿場町「富谷宿」の開宿400年を記念した事業も始動した。

<「自分たちで」>
 併せて重視するのが子育てと教育環境の充実だ。
 富谷市は人口に占める0〜6歳児の割合が7.72%(15年国勢調査)と、東北の市町村で最も多い。市は懸案だった待機児童を18年度に解消。18年8月には、市立全小中学校と幼稚園にエアコンを整備する方針をいち早く表明した。
 「住みやすいまちは自分たちで」と住民の地域活動も多彩に行われている。高齢者らを対象にした「街かどカフェ」や子どもたちが集まる「まかない付き寺子屋」、障害者向けのフットサル教室など5団体の活動が、13日にあった市民協働セミナーで紹介された。
 「街かどカフェには毎週25人ほどが集まり、入れたてのコーヒーを思い思いに楽しんでいる」と報告した鷹乃杜町内会会長の門間とも子さん。地域に活力をもたらすには「住民と住民の助け合い、地域と行政の連携が大切」と考えている。
 市の誕生と共に本格化した新たなまちづくり。「富谷カラー」の発揮に向け、着手した取り組みをどう育んでいくかが問われる。


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2019年01月18日金曜日


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