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<千年希望の丘遺棄>裁判員裁判で「対質」実施へ 複数の専門家を同時尋問 仙台地裁

 宮城県岩沼市押分の千年希望の丘周辺で2017年10月、仙台市太白区の無職女性=当時(54)=の遺体が見つかった事件で、殺人罪に問われた塩釜市藤倉2丁目、バス運転手中川済治被告(57)の裁判員裁判で、仙台地裁が複数の証人を同時に尋問する「対質(たいしつ)」を実施することが17日、裁判関係者の話で分かった。裁判員裁判での対質は全国でも珍しく、同地裁では初めてとみられる。
 対質尋問は異なる証言を即座に比較検討できるため、主張の対立点や意見の一致点を浮き彫りにしやすい。一方で尋問中に証人同士に感情的な反発が起きたり、通常の個別尋問より心理的な負担が増したりする恐れもあるため、例外的な手法とされる。
 被告は女性の遺体が発見された2日後に「話したいことがある」と塩釜署に出頭。デート目的で女性と現場に向かったことを認めたが、事件への関与は否定している。
 捜査関係者によると、女性の遺体や被告の軽乗用車などを調べた結果、女性が車と衝突した痕跡が見つかり、公判では痕跡の鑑定結果の信用性が主な争点となる。公判前整理手続きで検察、弁護側双方が事故鑑定の複数の専門家を証人申請しており、見解が食い違う点を中心に対質を実施する見通し。
 起訴状によると、被告は17年9月30日夜、希望の丘敷地内の空き地で女性を車ではねて転倒させた上、ひいて殺害したとされる。初公判は今月31日。

[対質]証人尋問は個別実施が原則だが、刑事訴訟規則は裁判官が事実認定や量刑判断に必要と認めた場合に複数の証人や被告を同時に尋問できると定める。東北では福島地裁郡山支部が2010年7月、傷害致死事件被害者の死因を巡る鑑定医らの尋問で、裁判員裁判で全国初の対質を実施した。名古屋地裁で17年2月にあった元名古屋大女子学生による殺人・タリウム混入事件の公判でも、女子学生の責任能力に関する精神科医らの対質があった。


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2019年01月18日金曜日


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