岩手のニュース

<大槌町旧庁舎>盛岡地裁判決、震災遺構の基準示す

 【解説】岩手県大槌町旧役場庁舎の解体を巡る盛岡地裁判決は、訴えそのものを門前払いとする一方、震災遺構の存廃について「関係者を含む地域住民の意向を十分に尊重して決めるべきもの」と踏み込み、司法上の判断を示した。
 震災遺構の定義についても「鎮魂や震災による惨禍の伝承の役割を果たし、自然災害に対する危機防災意識を醸成していく上で一定の意義を有するもの」と明記。各地で大規模災害が相次ぐ災害大国日本にとって指針の一つとなり得る。
 地裁判断は今回、解体工事は業者による「物理的破壊行為」であり、住民訴訟の請求対象ではないと結論付けた。「肩透かし」との印象が拭えず、保存を求める町民を納得させる判決だったとは言い難い。
 解体判断の過程に法的落ち度はないと認定されたとはいえ、町は住民との対話不足から訴訟に発展した事実を重く受け止めてほしい。
 町では18日に建物の取り壊しが始まる。住民の意向を踏まえて解体を決めたからには保存、解体派双方の意見を丁寧に拾い上げ、旧庁舎なき後の防災まちづくりに取り組む必要がある。(盛岡総局・斎藤雄一)


2019年01月18日金曜日


先頭に戻る