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東北最古の木彫像を3D再現し安置 仙台・十八夜観世音堂「観音菩薩像」5月本堂へ 

3D技術で再現された観音菩薩像について説明する中島教授

 宮城県と東北工大などが、3Dプリンターなどの3D技術を使い、十八夜観世音堂(仙台市太白区)の本尊で東北最古の木彫像「観音菩薩(ぼさつ)像」を実物大で再現した。県有形文化財に指定され、仙台市博物館で保管されている本尊に代わり、5月に本堂に安置される。

 菩薩像はカヤを彫ったもので、台座を含めた高さは約1.65メートル。8世紀末から9世紀初頭にかけて制作されたとされる。劣化や盗難を防ぐ目的で2008年に市博物館に移され、11年に市有形文化財、16年には県有形文化財に指定された。
 地元住民には菩薩像が本堂にないことを寂しがる声があり、観世音堂の保存会が県に相談。同大や県産業技術総合センター(泉区)、市博物館などが連携し、3D技術を活用して再現することが決まった。
 同センターにある3Dスキャナーで、顔や胴体などを七つに分けて計測。スキャンの際には、木製の支柱で像を囲い、支柱に計測用の目印を付けるなど、本体に触れないよう工夫した。
 データを基に、同センターの3Dプリンターで再現像を出力。プラスチック樹脂製の七つの部品を組み上げ、東北工大の学生らが、地元デザイン事務所の協力も得ながら着色した。カビや変色なども手作業で忠実に再現した。
 再現像は16日、5月に本堂に移されるのを前に仙台市内で関係者にお披露目された。保存会の渡辺由之会長(46)は「地域の守り神として町を見守ってほしい。像を見に来る人が集まることで地域の活性化にもつながる」と話した。
 今後は同大の学生が観音菩薩のキャラクターなどを考案する予定。東北工大中島敏教授は「3D技術の文化財への活用は珍しい。同じ悩みを持つ自治体の先進的なモデルになれたらうれしい」と話した。


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2019年01月19日土曜日


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