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<サポートスーツ>腰への負担軽減 介護現場の需要想定→農家、漁師から反響

サポートスーツを着用し、石を入れた重さ20キロ以上のケースを持ち上げる富樫社長

 スポーツウエアなどを手掛ける富樫縫製(福島県二本松市)が、福島県、福島大と共同開発した重い物を持ち上げやすくするサポートスーツが好評だ。発売3カ月で県内で約250着を販売。今月にはインターネットでも扱い始めた。介護現場を想定したマーケットは、高齢化が進んで腰への負担軽減が必要な農業現場など多方面に広がっている。

 商品名は「S字の力」(3万8880円)。緩やかなS字に湾曲した炭素繊維の板を背中に合うように装着する。重さは約450グラムで主流のゴム素材製品より軽く、強い反発を受けて重い荷物を持ち上げやすいという。着用したままで就寝や日常生活も可能。
 同社は薄い炭素繊維の樹脂を重ねて圧縮。さらにS字に加工して製品化している。炭素繊維を使ったサポートスーツとして既に特許を取得した。
 富樫三由(みよし)社長(70)が2年前の雪かき中に「働く人の健康寿命を延ばすサポートをしたい」と開発を決意。自身の腰痛を和らげるため、竹やカーボンを加工してきた試行錯誤の経験がS字のアイデアにつながった。
 開発には県の補助金を活用した。県ハイテクプラザは炭素繊維の物性検査などを担当し、腰への加重が未装着時より約7.4キロ軽くなることを確認。福島大も着用時の筋肉の分析などで協力した。
 販売した約250着の大半は個人客。モニター用として貸し出した地元農家をはじめ、底引き網の漁師らが購入した。「デスクワーク中にも使える」と銀行からの受注もあった。
 農家からは「一日中装着したまま作業したり、車を運転したりできる」と言われた。富樫社長は「想定外だった」と意外な現場からの評価と反応に驚く。
 4月には技術を応用し、価格を抑えたインナースーツを売り出す予定。商社からの受注でスポーツメーカーの水着やユニホームなどを製造してきた富樫社長は「メーカーに生まれ変わる第一歩にする」と下請けからの脱却を目指す。


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2019年01月19日土曜日


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