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<19年産米>価格維持へ正念場 需給動向見えず、各県苦心

 2019年産米の生産量の目安は東北全体で、18年産目安と比べ5469トン(0.3%)減少した。国が示した需給見通し(前年産比1.2〜2.3%減)を下回り、供給過多の懸念が強まる。需給動向が不透明さを増す中、生産現場は正念場の減反廃止2年目を迎える。

<事前契約急ぐ>
 18年産で目安(7万1326ヘクタール)を上回る7万5000ヘクタールの作付け実績となった秋田県。県水田総合利用課の担当者は「課題が残った年」と振り返り、「米価は高かったが、不作の『産物』。全国的に順調に収穫できていたら値崩れし、大きな損失を生んだかもしれない」と危機感を強める。
 県は昨年、県内で広がっていた増産の動きに対し、農林水産省の担当者らから「増産の裏付けはあるのか」と指摘を受けた。農協などの集荷団体を回って聞き取りし、事前契約の推進を求めたという。
 実際に事前契約は拡大したものの、作付け後に契約を結んだり、価格が決まっていなかったりした例があった。同課は「19年産は確実な需要に応えるため、適切な事前契約の手続きを啓発したい」と話す。

<ごね得に怒り>
 秋田と同様、福島県も18年産作付け実績が目安を上回った。東京電力福島第1原発事故の影響を受けた農地での営農再開という特殊事情がある。さらに、19年産も須賀川、郡山、会津若松など米どころで前年産の目安を上回る見通しだ。
 県内の農協関係者は「18年に過剰作付けした自治体が、結果として19年も多く配分された形になった。『ごね得』に近く、目安を守った農家は怒っている」と打ち明ける。
 関東地方にも出荷する同県は、かつての生産数量目標に従わない自治体があり、県全体で目標未達成だったこともある。生産現場からは「目安を浸透させるのは容易ではない」(農協幹部)との声も上がる。
 県水田畑作課の担当者は「目安を守らない事態が続けば、目安が空文化する可能性がある。目安に沿った生産に取り組む」と引き締めた。

<「作柄次第だ」>
 宮城県の18年産作付け実績は、目安を9ヘクタール下回った。作況指数は平年並みの「101」で、生産量では目安を1万2107トン超過した。県内の農協関係者は「目安通り作付けしても、結局は作柄次第だ」と言う。
 県農林水産部の高橋久則次長は「需給バランスを崩さず、価格を維持するコメ作りができるかどうか。様子見だった18年とは異なり、19年産は正念場だ」と力を込める。


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2019年01月19日土曜日


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