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<311次世代塾>暮らし再建の課題探る 受講生、災害住宅を視察

団地集会所で長沼さん(右)の話を聞く受講生=19日、名取市愛島郷2丁目

 東日本大震災の伝承と防災啓発の担い手育成を目指し、河北新報社などが運営する通年講座「311『伝える/備える』次世代塾」第2期の第12回講座が19日、開かれた。受講生ら約70人は名取、仙台両市を訪れ、災害公営住宅や仮設住宅で暮らす住民から生活再建の実情を聞き、課題を考えた。
 名取市閖上地区では同市の水道設備業長沼俊幸さん(56)が、震災の津波で築9年の自宅が流され、愛島東部仮設団地に6年暮らした経験を紹介。「名取は土地かさ上げの合意形成に時間がかかった。地域の復興は道半ばだ」と訴えた。
 受講生は、長沼さんが一昨年、家を再建した閖上中央第2団地を巡った後、愛島東部仮設団地の集会所を訪問。同団地には今も7世帯が暮らしており、自治会長の菅原忠男さん(69)も説明に加わった。
 長沼さんは「仮設を出て家を建てたが住宅ローンは80歳まで続く」と強調。「新住民も増えているがコミュニティーづくりの難しさもある。若い世代の皆さんには、積極的に閖上に来て再生に関わってほしい」と呼び掛けた。
 仙台市若林区では六丁の目西町地区災害公営住宅、東六郷コミュニティ・センターを視察した。被災住民の生活支援を続けている秋谷智明(ちあき)さん(48)は「被災者の抱える家庭や経済の事情は複雑で高齢化も進んでいる。息の長い取り組みが必要だ」と力を込めた。
 視察後、受講生は宮城野区の東北福祉大仙台駅東口キャンパスでグループ討論。「地域再生に若い力が求められているのが伝わってきた」「被災住民の暮らしを支える法制度の見直しが必要だ」との声が出た。
 次世代塾は年15回の講座で、河北新報社、東北福祉大、仙台市を中心とする311次世代塾推進協議会が主催。第2期の被災地視察は昨年11月に続き3回目。


2019年01月20日日曜日


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