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<大川小>4区画に分け鎮魂・伝承 震災遺構基本案を石巻市が提示

基本設計案の模型や平面図を前にあいさつする亀山市長(前列右から2人目)ら=石巻市河北総合センター

 東日本大震災の津波で児童・教職員計84人が犠牲になった石巻市大川小旧校舎について、市は20日、震災遺構として保存するための基本設計案を公表した。被災した校舎周辺を現状のまま保存するとともに全体を四つのエリアに分け、犠牲者の魂を鎮めて震災の記憶を後世に伝える機能を持たせる。
 整備面積約3.35ヘクタールの全体を(1)校舎を含む震災遺構(2)校舎西側の追悼広場(3)山沿いの鎮魂の森(4)校舎北西側の駐車場−に分け、植え込みなどで区切る。被災者感情に配慮し、樹木などで県道から校舎が見えないようにする。
 敷地入り口や校舎前、中庭など6地点にメッセージ板や解説パネルを設け、津波の恐ろしさを伝える。校舎南西側には新たに木造平屋の管理棟を建て、震災の詳細な資料や震災前の地域のジオラマ展示室、多目的スペースなどを設ける。
 校舎は天井や渡り廊下に落下する危険性があり、内部の立ち入りを制限。遺構の価値を損なわないよう補強工事はせず、劣化の進行を観察する。市は基本設計を3月中に取りまとめ、5月に実施設計に着手。2020年4月着工し、21年4月の運用開始を目指す。
 基本設計案は、約50人が参加した住民説明会で公表した。参加者からは「防災教育の視点がない」「真実が不明な段階で計画が進むことに納得がいかない」などの意見が出た。
 亀山紘市長は取材に「基本的な設計はほぼ了解してもらえると思う。これからも住民と話し合っていきたい」と述べた。


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2019年01月21日月曜日


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