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<まちかどエッセー・米田公男>トロピカルな写仏画

 年も改まり、平成の世もあと数カ月。少し大げさに言えば日本の歴史が変わろうとする瞬間を、私たちは目の当たりにするのです。
 今から30年前の平成元年に、わが家は大阪から仙台に転居してきました。昭和から平成に変わった年に、私の家族の環境も変化したのです。「今年も小さなサプライズがあるかも?」と楽しみにしながらこの1年、生活します。
 私の仕事は「石屋」ですので、お墓やモニュメントなどの石製品のデザイン・設計と施工が生活の基本です。聞くところによると「究極のパワースポットはご先祖の眠るお墓にあり」だそうですので、皆さんもお墓参りに行ってください。
 仕事以外に趣味として、坐禅(ざぜん)や写経をしていますが「写仏画」もその一つです。気仙沼市の中心部から少し西に行った山懐に「みちびき地蔵堂」という小さな建物があります。庵(いおり)の中心に俳優の滝田栄さんが彫り上げた高さ4尺(約1.2メートル)ほどの錫杖(しゃくじょう)玉持ち地蔵が安置してあり、その後ろに過去・現在・未来を小さな鳥の姿で現した12枚、3組の屏風(びょうぶ)画が地蔵を囲むように立っています。
 優しいお顔の地蔵様と、後ろに立つすがすがしい屏風画に目を奪われていると「米田さん、この絵を描いた先生の写仏画教室がここで行われているのですが、どうです一緒にやってみませんか」と、お堂を管理している先輩から誘われました。年に3、4回京都から来られる日本画家富永成風(せいふう)先生の教えを受けながら、5年余りで十数枚の観音様を描きました。
 仏画って言うと大変そうに思えますが、要は大人のぬり絵です。富永先生が描いた観音様の線画に和紙を載せ、筆でゆっくりと写し取り、出来上がった線画に着色をしていくのです。毎回20人ほどの参加者で仲良く筆を運んでいるのですが、それぞれの個性で、まったく違う観音様がそこに現れます。私の観音様も、表現するたびに違った表情と雰囲気に仕上がります。
 仲間から「米田さんの観音さんは、エキゾチックでトロピカル。見ていて楽しい!」と言われるのが私の自慢です。(石材店経営)


2019年01月21日月曜日


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