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<あおり運転>東北の県警、対応に苦慮 通報増加も「どっちもどっち」のケース大半「挑発乗らずゆとり持って」

上空のヘリコプターと連携して違反車両(右)を摘発する警察車両=昨年12月15日、宮城県利府町春日の三陸自動車道上り線(宮城県警提供)

 高速道路での前方車への異常接近といった「あおり運転」の相談対応に東北の各県警が苦慮している。2017年6月に神奈川県大井町の東名高速道路で夫婦が死亡した事故などで関心が高まり、警察への通報が増え続ける中、相談者もあおり行為をしていた「どっちもどっち」のケースが目立つという。

<定義なし>
 18年12月上旬、宮城県亘理町の常磐自動車道下り線で「前の車にブレーキを踏まれた」と男性から110番があった。県警高速隊によると、男性は「すぐ捕まえろ」と興奮した様子。常磐道から岩沼市の一般道までの約10キロにわたり、前方車を追尾したという。
 高速隊は、ナンバーで前方車を特定。運転していた男性に事情を聴くと「後ろの車に急接近されて怖くなり、注意の意味でブレーキを踏んだ。むしろこちらがあおり運転の被害者だ」と反論した。
 県警は17年5月から、あおり運転に関する通報を集計している。同5〜12月の通報は176件だが、18年同期は380件と激増。岩手、秋田、山形の3県警高速隊も17年に統計を始め、18年は前年の2〜3倍程度増えている。
 ただ、何があおり運転に該当するか法律上の定義はない。秋田県警は「分類はあくまで通報者の自己申告に基づく。実際にあおり行為があったか分からない場合もある」と判断の難しさを指摘する。

<報復合戦>
 ドライブレコーダーの映像データを持参した相談も増えているが、内容を分析すると大半は相談者側にもあおりに近い行為があるという。宮城県警は「自分の行為を自覚した上で、刺し違えてでも相手を摘発しようと怒り心頭で訪れる人もいる」と困惑する。
 宮城、岩手、福島3県警は昨年6月から、ヘリコプターと連携してあおり運転を定期的に監視するなど摘発態勢を強化。宮城県警高速隊は「あおり運転の多くは感情的な報復合戦。挑発に乗らず心のゆとりを持ってほしい」と呼び掛ける。


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2019年01月21日月曜日


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