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<被災搬送後死亡訴訟>石巻赤十字「対応した」 請求棄却求める

 東日本大震災で被災した石巻市の女性=当時(95)=が同市の石巻赤十字病院で必要な介助を受けられずに死亡したとして、遺族が病院に約3220万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が21日、仙台地裁であり、病院は請求棄却を求めた。
 病院は答弁書などで「震災時は傷病者や避難者、要介護の被災者が殺到し、限られた医療資源でできる限り対応した。当時の状況を踏まえれば、女性の死亡は病院の対応に原因があるとはいえない」と反論した。
 遺族は「病院の主治医は女性が自力での飲食が困難だと震災前から把握していた。病院は女性の生命維持に必要な措置を講じる義務を負っていた」と主張している。
 訴えによると、女性は2011年3月14日、自宅周辺が津波で水没し孤立していたところを救助され、病院に搬送された。震災前、日常生活に全面的な介助が必要とされる要介護5の認定を受けたが、病院は治療の優先度を決めるトリアージで、女性を軽症患者を意味する「緑」と判定。女性は搬送から3日後の同17日に脱水症で死亡した。
 閉廷後に仙台市内で記者会見した石橋悟院長は「当時は震災前のカルテを参照する余裕がなかった。トリアージに法的根拠はなく、緊急的な対応の結果で責任を負うことになれば、災害医療が萎縮しかねない。遺族と認識にずれが生じているのは残念だ」と述べた。


2019年01月22日火曜日


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