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平和の尊さ「彗星」に学ぶ 旧日本軍爆撃機保管の岩手県高教組が講演会

銃弾が貫通した跡が残る彗星の胴体後部

 岩手県高校教育会館(盛岡市)に保管されている旧日本軍の艦上爆撃機「彗星(すいせい)」を題材にした講演会が19日、盛岡市のいわて県民情報交流センター「アイーナ」であった。国内に2機しか現存していないとされ、所有する県高教組の関係者らが市民約50人に価値を解説した。
 高教組によると彗星は1945年8月9日、釜石艦砲射撃に応戦するため茨城県の飛行場を離陸。米英艦隊に爆撃を試みたが失敗し、岩手県金ケ崎町の高谷野原(こうやのはら)飛行場に不時着した。
 機体は雑木林に隠されたが、翌日に米軍機の空襲を受けて胴体後部と翼端だけが焼け残った。残骸は地元住民が持ち帰って49年後の94年、教材として高教組に寄贈した。直後に当時の操縦士2人も判明し、機体と対面を果たしている。
 国内に現存するもう1機の彗星は復元され、靖国神社(東京)に奉納展示されている。父親が元零戦パイロットで戦闘機に詳しい元高校教員佐藤邦彦さん(72)=岩手県矢巾町=は講演で「オリジナルな形で残る岩手の機体は非常に貴重で、歴史遺産かつ技術遺産でもある」と強調した。
 この日は機体がアイーナで展示された。講演を聞いた岩手県洋野町の高校2年大芦弥生さんは「銃弾が貫通した跡を見て、戦争を経験したんだという実感が湧いた。これからは私たちの世代が平和な世界を築きたい」と話した。


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2019年01月22日火曜日


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