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<湯沢・宇宙大橋>落氷多発で10年以上冬季通行禁止「高いアーチ雪国に不適」

落氷の危険で通行禁止となっている宇宙大橋

 豪雪地の秋田県湯沢市皆瀬に架かるアーチ橋「宇宙大橋」のアーチ上部から雪や氷の落下が相次ぎ、10年以上も冬季の通行禁止が続いている。橋を管理する秋田県は対策を模索したが、打つ手がなくお手上げの状態だ。遠回りを強いられている住民は「橋の構造が雪国の環境に合っていない」と嘆く。
 1994年開通の宇宙大橋は長さ180メートル。皆瀬ダム湖を周回する県道にあり、アーチ頭頂部が狭まった形が珍しい。山と湖の景色に映え、冬季以外は橋の周辺で写真を撮る人もいる。
 高さ27メートルのアーチはなだらかで鉄骨の幅が広く、着雪しやすい。雪は凍ると重くなり、アーチの頂上付近から真下の路面に落ちた時の衝撃はかなり大きい。
 2006年には雪払い中の高所作業車に氷雪が落ちて台車部分が損傷。県は翌07年から冬場の通行を禁止した。今季も昨年12月10日、橋の両端に「全面通行止」の表示板を置いた。通行禁止は3月まで続く見込みだ。
 橋は県が21億5600万円で整備した。管理担当者は「アーチが高すぎて雪払いが難しい」と語り、設計時に降雪量の検討が不足していた可能性がある。
 建設前は橋の長さを100メートルほどにする計画だったが、ボーリング調査で南側の地質がもろいことが判明。予定の位置に橋台を作れず、橋の長さが想定より南に80メートル延びたため、アーチも高くなったという。
 県は落氷防止策を検討。アーチへの電熱線設置を議論したが、再凍結して大きなつららができる危険があることから断念した。頭頂部への着雪を避けるため三角屋根のような形をした部材を付けたが、効果は乏しかった。
 橋の北側にある中ノ台地区には22世帯が住む。宇宙大橋の通行禁止で、冬季に南側の羽場地区へ行くには車で約20分もの遠回りを余儀なくされる。
 中ノ台地区の50代男性は「(橋を通れないと)冬季は北から皆瀬ダム湖を回る道路1本しかなく非常に不便だ。災害時に孤立するのが怖い。緊急車両が通れるよう1車線分だけでも橋の除雪をしてほしい」と訴える。

[宇宙大橋]橋の名称は当初、南側の羽場(はば)と北側の中ノ台(なかのだい)の両地区名から「羽中(うちゅう)大橋」となる予定だった。完成した1994年に日本人女性として初めて向井千秋さんが宇宙飛行に成功したことから、同音の「宇宙」を採用した。たもとには向井さんの直筆を刻んだ石碑がある。


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2019年01月22日火曜日


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