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<いじめ母子心中>「いじめ条例に反映を」 事件巡り発言相次ぐ

長女へのいじめを苦に母親が無理心中した事件を受けて開かれた市議会特別委員会の理事会

 仙台市議会いじめ問題等対策調査特別委員会は22日、理事会を開き、泉区で昨年11月に寺岡小2年の長女(8)へのいじめを苦に母親が2人で無理心中したとみられる事件を巡って意見を交わした。理事からは、いじめ防止条例は今回の事件も踏まえて制定すべきだとの意見や、学校の対応を調べる第三者委員会の設置を求める声などが上がった。

 市は、いじめを受けた市立中の生徒3人が相次いで自殺したことを受け、いじめ防止条例の制定準備を進めている。いじめ防止や早期発見、重大事態発生時の対応を盛り込む方針。
 理事からは「これまでの議論で心中は想定していなかった。今回のような場合(条例に)どう実効性を持たせるのか」「事件を受け、条例の議論を深めることが必要ではないか」などの指摘が相次いだ。
 条例の制定を所管する子供未来局の担当者は「学校現場で適切な対応を進めることが大事だ」と述べ、従来の方針を維持する考えを示した。
 遺族が設置を求める第三者委については、事務局を市教委が務め、学校の対応などを調べることを念頭に、理事から「身内に甘くない調査を進め、事実を確認してほしい」との注文があった。
 父親は、事件前の寺岡小の姿勢について、相談しても「対応する」「もう少し待って」と繰り返し、具体的に対応してもらえなかったと訴えている。
 ある理事は「保護者は自らの訴えを、学校がきちんと受け止めているかどうか、不安になるものだ。返答が遅いと待つ時間は長く感じる」と語り、速やかな対応を求めた。

◎いじめ対応点検 全学校に通知へ/市教委方針

 仙台市教委は22日、長女へのいじめを苦に母親が2人で無理心中したとみられる事件を受け、市立学校全189校に対し、現在校内で行っているいじめ対応が適切かどうか、再点検するよう求める通知を出す方針を明らかにした。
 同日の市議会いじめ問題等対策調査特別委員会理事会で、加藤邦治副教育長は「学校の対応について適切かどうか自己点検を求めたい」と説明した。近く各校に文書で伝達する。

◎「防止条例は必要」市長強調

 郡和子仙台市長は22日の定例記者会見で、いじめを苦に母子が無理心中したとみられる事件を巡り「事案を重く受け止め、解決に結び付けるためにも、いじめ防止条例は必要」と強調し、当初の予定通り、市議会2月定例会に条例案を提出する意向を明らかにした。
 郡市長は「一刻も早く、いじめを社会共有の問題として捉えてもらうために取り組んできた。積み重ねた議論は有効。つらい思いをしている人に対応するため、条例が必要という気持ちは変わらない」と述べた。
 さらに「長女が(『しにたいよ』と)書いた手紙に胸が詰まる思い。どういう支援が必要だったのか、全庁的に考えないといけない」と話した。昨年11月の事件発生翌日に報告を受け、背景に長女へのいじめがあったことを知ったという。
 青葉区で生後2カ月の乳児が18日に衰弱死した事件にも「小さな命が失われ、痛ましい」と語った。市児童相談所の対応に関しては「職員が母親に会って指導し、今後もしっかり見ていくべき家庭であると認識していた。問題はなかったと思う」との見解を示した。
 市児相職員は昨年12月19日に母親と会い、同12日には青葉区の保健師による新生児訪問があった。市によると、いずれの時点でも母親の状況や乳児の成育に問題は見られなかったという。


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2019年01月23日水曜日


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