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平泉の栄華、歌でしのぶ 江戸後期・菅江真澄らの歌集発見 研究家「文化レベルの高さ示す」

発見された冊子「秀公六百霜懐旧志」
菅江真澄

 江戸時代後期の紀行家菅江真澄や仙台藩の知識人、地域の有力者が奥州藤原氏の3代秀衡をしのんで寄せた歌集が、岩手県平泉町の旧家で見つかった。発見した市民研究グループの平泉近世古記録調査会は、菅江真澄の研究や平泉の近世文化史を探る上で貴重な資料と話している。
 旧家が所蔵する古文書の中から見つかったのは「秀公六百霜懐旧志(しゅうこうろっぴゃくそうかいきゅうし)」と表題の付いた冊子。写本とみられ、編者は不明。
 真澄が著した紀行文には1786年10月28日、中尊寺で秀衡の六百回忌法要が営まれ、「冬懐旧」と題した歌会が開かれたと記されている。冊子はこれを裏付ける資料だという。
 冊子は158の漢詩、和歌、俳句を収録しており、作者110人が確認された。このうち特定できたのは一関藩士、地元の肝入、商人、仙台城下の儒者ら61人だった。
 和歌の部の筆頭には真澄が本名の「白井英二」名で詠んだ「埋(うず)もれぬ名のみは高く顕(あらわ)れて雪に跡なき昔をぞ思ふ」との一首が載っている。
 秋田県立博物館菅江真澄資料センターの松山修主任学芸主事は「真澄が歌人として高い評価を得ていたことがうかがえ、歌会自体も真澄の発案だった可能性がある」と話した。
 調査会の千葉信胤代表は「平泉の栄華を懐かしむ詠歌のたしなみが地域にあったと考えられ、文化レベルの高さを示している」と説明した。
 今回の資料発見を受けて平泉町教育委員会は2月24日、平泉文化遺産センターでシンポジウム「菅江真澄と平泉」を開く。


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2019年01月26日土曜日


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