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<米沢・小嶋総本店>日本酒で世界を酔わす 米国人スミスさん初めての醸造

櫂(かい)入れ作業に精を出すスミスさん

 日本酒「東光」を製造、販売する山形県米沢市の小嶋総本店(1597年創業)で、米シアトル出身のアレクサンダー・スミスさん(29)が新酒造りに奮闘している。外国語指導助手(ALT)として来日して出合った日本酒の奥深い味わいに引かれ、昨年5月に同社初の外国人正社員となり、本格的な醸造作業は今回が初めて。「将来は日本酒の素晴らしさを伝える懸け橋になりたい」と夢を膨らませている。
 スミスさんは仕込み課に所属。昨年秋からの新酒造りで精米から蒸米、もろみ・酒母造り、上槽(そう)、瓶詰めなどほぼ全ての工程に加わり、現場で一から学んでいる。
 大学で日本文化を専攻し、日本語も流ちょうに話せるが、方言や昔ながらの専門用語が飛び交う職場は戸惑うことも多い。それでも「大好きな日本酒を造る立場にいる。学ぶことが多いのは発見でもあり楽しい」と前向きだ。
 大学卒業後、米国内の博物館勤務などを経て2014年11月に来日。昨年春まで仙台、米沢、栃木県小山の各市でALTを務めた。元々はビール党だったが、米沢市で暮らした15年春からの2年間で地酒の魅力に目覚め、各地の酒を味わって研究する熱心なファンになったという。
 知人の紹介で小嶋総本店に入社し、酒造りの傍ら同社が運営する酒造資料館「東光の酒蔵」で英語によるガイドなどに当たる。外国人の見学者が増える中、スミスさんは「現場を知っているからこそ伝えられることがある」と感じている。
 小嶋健市郎社長は「真面目でよく頑張っている。伝統的な日本の職場に異なる文化の社員がいることは、他の社員にも刺激になる」と期待を寄せる。
 同社は今季の新酒を初めて米国に輸出する予定。スミスさんは「母国に自分が造った酒が運ばれ、味わってもらえるのは、すごくうれしい。日本酒の国際化を進める役割を担いたい」と意気込む。


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2019年01月26日土曜日


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