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「震災経験いつか伝えて」津波に襲われ閉校した小学校の元校長、当時の在校生ら中学生に講話

井上さん(右)の講話を真剣な表情で聴く生徒ら

 東日本大震災の津波に襲われ、2013年3月に閉校した宮城県山元町中浜小の元校長井上剛さん(61)が同町坂元中(生徒65人)で防災講話を行った。震災時、坂元中3年の31人は小学1年で、うち7人が中浜小だった。井上さんが当時の在校生に震災の講話をするのは初めて。「いつか皆さんが経験を伝えて」と呼び掛けた。

 全校生徒を対象にした防災学習の一環。中浜小で被災した生徒らが卒業前に当時の状況を学べるようにと18日、坂元中が企画した。つらい体験を振り返ることになるため、子どもたちをよく知る井上さんが講話をすることになった。
 海から約400メートルにあった中浜小は鉄筋2階の校舎がほぼ水没し、井上さんらに促されて児童や住民計90人が屋上倉庫に避難した。孤立して水も食べ物もない中、毛布を分け合って寒さをしのぎ、翌日全員がヘリコプターで救出された。
 井上さんは経緯を振り返り、「子どもたちはとても頑張った」と語った。さらに「大人は全力で皆さんを守った。これから皆さんが下の子を守る番が来る」と強調。屋上避難は高さに限界があることなども指摘した。
 旧中浜小出身の3年小林礼奈さん(15)は「震災の状況は怖い気持ちばかりで詳しく分かっていなかったが、講話で知ることができた。震災を知らない人が多くなっていくので、私たちが伝えていきたい」と感想を述べた。
 井上さんは「震災後各地で経験を語ったが、山元町の元児童にはちゃんと話をしていなかった。生徒らが震災と向き合うきっかけになれば」と話した。


2019年01月27日日曜日


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