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<仙台市消防局>火災減少は喜ばしいが…若手経験不足 技術維持へ体験型訓練施設導入

コンテナの安全確認作業で実際に火を付け、室内の温度を測る職員。燃え方、温度、安全性の確認を繰り返し、新年度の活用を目指す

 仙台市消防局は新年度、特に若手消防士の現場経験不足を補おうと、火災現場を疑似体験させる訓練施設の運用を始める。火災は全国的に減る傾向にあるが、経験豊かな団塊の世代の職員が退職後、消防技術の維持が悩みとなっており、新しい施設は有効な手段として期待される。
 実火災体験型訓練施設は若林区の市消防局荒浜訓練場に設けた。高さ約2.2メートル、幅約2.4メートル、奥行き約12メートルの鉄製コンテナ。焼却棚で木製パレットを燃やし、炎や煙、熱を発生させる。
 消防士6人前後が防火服を着用して内部に入り、炎や煙の動きを体感。安全を確保しながら効果的な消火活動の仕方を学ぶ。設置費は311万円。
 主に採用5年目までの隊員約220人を対象に、消防署ごとに訓練に当たる予定。現場を指揮する隊長も参加し、年間70日程度使う方針。昨年12月にコンテナを設置し、燃え方や温度などを確かめ、安全性の確保に向けて調整を重ねている。今年4月以降の運用を目指す。
 施設導入の背景には、現場経験豊富な団塊の世代の職員が定年で大量退職した後、火災の減少に反比例し、経験の少ない消防士が増えているという事情がある。
 仙台市と全国の火災件数の推移はグラフの通り。仙台市内では2018年は254件(速報値)で、16年の250件に次ぎ、平成で2番目に少なかった。消防法と市条例の改正で義務付けられた住宅用火災警報器の普及などが件数減少につながったとみられる。
 仙台市消防局によると、コンテナ型の訓練施設は東京都や北九州市などで使われている。宮城県消防学校(仙台市宮城野区)には大きさが仙台市の半分の訓練用コンテナがあり、各消防本部や消防局の新人隊員研修に活用されている。
 市消防局の渡辺薫警防課長は「火災の減少は喜ばしいが、同時に隊員の経験値を上げる必要がある。安全で効率的な消火活動ができるようにコンテナを活用し、実際の火災への対応能力を上げたい」と話す。


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2019年01月29日火曜日


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