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<杜の都のチャレン人>手製の装飾で読書誘う 児童書の紹介に工夫凝らす書店員

「工夫すれば、反響がある。フェア台の前で会話している家族の姿を見るとうれしい」と話す金沢さん=宮城野区のヤマト屋書店東仙台店

◎ヤマト屋書店東仙台店 金沢恵さん(34)

 寄席風に仕立てたフェア台に、落語がテーマの絵本がずらり並ぶ。高座の奥のふすまもちょうちんも、紙を切り貼りした手作り。出演者の名前を知らせる「めくり」の台も、木材で作った。
 仙台市宮城野区のヤマト屋書店東仙台店の児童書担当として装飾に力を入れる。「寄席を見たことがない子どもは多いはず。寄席に来たような臨場感を出したくて」。落語に興味を持つきっかけになれば、と基礎知識や用語解説を盛り込んだ全10ページの手製のフリーペーパーまで配布する。
 フェア台のテーマは季節などに合わせ、2カ月の1度のペースで変える。イラストレーター経験もあり、切り絵や貼り絵、工作の技を駆使して目を引く装飾を作る。
 「普通に本を並べるだけで売れる時代じゃない。この店の売り場に来て『楽しい』と思ってほしい」と言う。
 書店勤めは14年目になるが、装飾に力を入れ始めたのは2年ほど前だ。本離れの中でも堅調だった絵本の売り上げに少し陰りが見え「絵本は高い」という若い母親らの声も聞こえてきた。
 本に目を留めさせ、手に取ってもらうにはどうするか。他店にない装飾やポップを、と幼稚園で見掛けるようなカラフルな貼り絵を多用。工作で絵本の世界を再現したり、貼り絵にカラーコピーで仕上げた新刊案内のフリーペーパーを発行したりしてきた。「紹介した本を手に取る人が増えた」と手応えを語る。
 作業は主にレジの合間の隙間時間などを活用し、休日は他の書店などの売り場を見て歩く。アイデアは尽きないという。
 絵本作家を目指していたこともあり、絵本への思いは強い。「読むたびに違う感じ方で楽しめて、幾つになっても裏切らない友達みたい。今の子どもたちにも『すてきな本がいっぱいあるんだよ』と伝えたい」(ま)

[かなざわ・めぐみ]1984年仙台市生まれ。日本ビジネススクール仙台校(現・日本デザイナー芸術学院)イラストレーション科卒。イラストの仕事の傍ら市内の書店で働き始め、2009年からヤマト屋書店東仙台店勤務。宮城野区在住。


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2019年02月02日土曜日


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