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「夢を語れば無料」女川の復興、ラーメンで応援

多くの客やスタッフが見守る中、開業を宣言する山崎さん(奥左)=1月30日、宮城県女川町

 宮城県女川町のテナント型商業施設「シーパルピア女川」にラーメン店「Yume Wo Katare Onagawa(夢を語れ 女川)」が開店した。ラーメンを通して若者を鼓舞しようと「夢を語れば無料」という一風変わったスタイルを取り入れた。店主の山崎達哉さん(29)は1月に京都市から女川に移り住み、東日本大震災からの復興を歩む町に新風を吹き込む。

 店は1月30日に開店した。来店客は店員に夢や目標を伝えると、しょうゆとんこつ味のラーメン(850円)が無料になる。「誰かの夢を応援したい」という客から1口500円の寄付を募り、無料にしたラーメン代に充てる。
 同様のスタイルは国内外の6店舗で導入され、このうち京都市の系列店は来店客の2割超がこのシステムを利用。無料でラーメンを食べている。採算は十分取れているという。山崎さんは女川店で来店客を1日60人、毎日20の夢が語られることを目標にしている。
 山崎さんは京都市出身。市内の大学を卒業後、大手広告代理店に就職し、1年足らずで退職した。2011年11月、「若者と社会をつなぐ場をつくりたい」と、店長が日替わりする飲食店を市内で始めた。
 15年夏、「(被災した)今の東北を見ておかなければ」と思い立ち、気仙沼市や宮城県南三陸町、女川町を訪ねた。知り合った起業家の勧めや「自分自身も成長したい」との思いから、女川町で16年2月、約1カ月の短期移住を始めた。
 当時はシーパルピア女川が開業して間もない時期。町は「前向きな話しか聞こえてこない」(山崎さん)ほどエネルギーに満ちていた。山崎さんは飲食店を間借りして料理を提供するなど、まちのにぎわいづくりに精力的に参加した。
 その後も年に1度のペースで女川に短期移住し、昨夏、シーパルピアのテナントに空きが出ていることを知った。「女川を訪れ、好きになってくれる人を増やしたい」と本格的な移住を決断。出店に踏み切った。
 メニューは自家製の太麺を使い、野菜や煮豚をふんだんに盛り付けたラーメンのみ。トッピングや麺の量は注文に応じて対応する。
 山崎さんは「やりたいことを口に出すのが大切。若者たちの夢を町全体で応援するような環境をつくりたい」と女川の未来を描く。


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2019年02月03日日曜日


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