宮城のニュース

<われら平成元年組>(1)せんだい農業園芸センター/植物430種、市民憩いの場

四季折々の植物を楽しめるせんだい農業園芸センター。市民の憩いの場にもなっている=仙台市若林区

 31年にわたった「平成」が間もなく幕を下ろす。この間、社会は大きな変革を遂げ、5月には新たな元号を迎える。1989(平成元)年という節目に誕生し、時代の荒波を乗り越えてきた仙台圏の施設、団体などにスポットを当て、それぞれの歩みを振り返る。

 2016年にリニューアル開園した仙台市若林区の「せんだい農業園芸センター みどりの杜」。東北の農業振興を目的に1900年に開設された養種園が前身となる。政令市移行に伴って89年4月に現在地に移った。跡地は若林区役所として活用されている。
 植物約430種類を10ヘクタールで育てている。プロ野球東北楽天の本拠地、楽天生命パーク宮城(宮城野区)の7倍に当たる面積だ。
 緑豊かな敷地内は、市民の憩いの場にもなっている。近くの無職橘正一さん(70)は「暖かい季節には月2、3回散歩する。孫とバラなどを見るのが楽しみ」と話す。
 東日本大震災では海から1.5キロ離れたセンターにも津波とともにがれきや泥が押し寄せたが、2カ月後に一部再開にこぎ着けた。坂本邦雄所長(62)は「ボランティアの懸命の復旧作業のおかげ。感謝したい」と話す。
 ただ熱帯温室の温度調節などができず、2016年3月までは一部の開園にとどまった。震災前は市の外郭団体が運営していたが、現在は民間企業の共同事業体が担っている。
 再開後は幼稚園児や小学生らを対象に田植えや稲刈りの体験を新たに実施。農業団体の協力で年10回の料理教室も開き、農業や食の大切さを伝えている。
 地域振興への貢献も期待されるセンター。坂本所長は「食を楽しめるイベントにも力を入れている。多くの市民に気軽に訪れてほしい」と話した。(報道部・池田隆平)

[メモ]仙台市は政令市移行と同時に区制を導入、5カ所に区役所を置いた。青葉は市役所第2庁舎、泉は泉市役所を転用。新築した3区役所の用地は若林が養種園跡を活用したほか、宮城野は旧国鉄用地、太白は水田だった民有地をそれぞれ取得した。


関連ページ: 宮城 社会

2019年02月04日月曜日


先頭に戻る