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<宮城県19年度予算案>ポスト復興、新たな局面 実行力と戦略不可欠

 宮城県が5日発表した2019年度当初予算案は、東日本大震災からのポスト復興に向けた新たな局面に入ったことを印象付けた。県震災復興計画で定める発展期の2年目。大型の復興事業は姿を消し、村井嘉浩知事の苦手分野とされる福祉や教育、子育てへの目配りを演出した。

 国の復興・創生期間の終了まで約2年に迫り、県は道路や河川などの復興事業の予算化を急いだ。復興関連事業の完了が最重要課題であることは論をまたない。防潮堤工事を巡るミスが続発しており、着実な実施を求めたい。
 当初予算総額に占める震災関連の割合は12年度に50%を超えたが、新年度は最少となる24%まで下がった。復興をけん引した大型事業が一段落し「目新しい事業が少なく、アピールが難しい」(県幹部)との声が漏れる予算案は新味に乏しいとも言える。
 村井知事は記者会見で、1次産業や福祉、子育てなどを列挙し「(復興計画が終わる)21年度以降の準備を進めないといけない」と強調した。老朽化した県有施設再編を検討する事業費も新たに盛り込み、復興後に軸足を徐々に移している姿勢をにじませた。
 復興を支えてきた国の全面的な財政支援が約束されるのはあと2年。「予算査定で切った事業もある」(村井知事)と厳しい決断を余儀なくされる中、自律的な財政運営も要求される。
 県の立ち位置は、復興期とポスト復興期のはざまにある。復興の着実な進展とともに足元と先を見据えた助走を両立、実現させるには、緻密な戦略と強い実行力が欠かせない。
(報道部・吉江圭介)


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2019年02月06日水曜日


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