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<夢いちごの郷>待望の再建、農家ら喜びひとしお

完成したばかりの売り場の前で笑顔を見せる斎藤さん(左)と菅野さん

 宮城県山元町のJR坂元駅前に6日、プレオープンした農水産物直売所「やまもと夢いちごの郷(さと)」。前身の施設は町内初の直売所として2001年に同町高瀬に開設され、イチゴ狩りの観光客などでにぎわったが、東日本大震災で全壊。今年1月まで内陸部の仮設店舗で営業を強いられた。運営にかかわってきた農家らは、目を細めて再建を喜んだ。
 「新しい施設に無事に引き継げてほっとした」。同町のイチゴ農家、菅野孝雄さん(72)は感慨深げに語った。
 01年から約18年間、旧施設と仮設店舗を運営した農家による「友の会」会長を務めた。震災で、約50人いた会員のうち沿岸部のイチゴ農家ら半数が被災。菅野さんは自宅とイチゴハウスが流されながらも会長を続け、11年9月の仮設店舗開設に向けて仲間をまとめた。
 自身は11年中に内陸部に土地を借りてイチゴ栽培を再開。「お客さんのためにもどうしてもイチゴを提供したかった」と振り返る。
 友の会の事務局長を務めた斎藤忠男さん(71)も自宅とイチゴハウスが津波で流失した。営農再開は断念したものの、避難生活を送りながら仮設店舗の設置と運営に尽力した。
 「直売所は市場に出回らない山元のリンゴを買える貴重な場所でもある。四季折々の地場産品の出荷は、高齢者の生きがいにもなっている」と強調する。
 再建した施設は町中心部から離れた場所にあり、集客が軌道に乗るまでは時間がかかりそうだ。直売所を運営する株式会社「やまもと地域振興公社」(社長・斎藤俊夫町長)にパートとして残る斎藤さんは「これまでのお客さんや農家とのつながりを生かしていきたい」と力を込めた。


2019年02月07日木曜日


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