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<われら平成元年組>(5)仙台フィルハーモニー管弦楽団/都市名冠し地域と歩む

昨年4月に創立45周年を迎えた仙台フィル(楽団事務局提供)

 31年にわたった「平成」が間もなく幕を下ろす。この間、社会は大きな変革を遂げ、5月には新たな元号を迎える。1989(平成元)年という節目に誕生し、時代の荒波を乗り越えてきた仙台圏の施設、団体などにスポットを当て、それぞれの歩みを振り返る。
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 「楽都」の称号が仙台市民の耳になじんできたのは、平成になってから。立役者となったのは仙台フィルハーモニー管弦楽団だ。1989(平成元)年4月に宮城フィルハーモニー管弦楽団から改称した。
 宮フィルは73年4月に誕生。83年から音楽総監督に作曲家で指揮者の故芥川也寸志さんを迎え、演奏、運営ともにプロ楽団として基盤を固めた。
 楽団事務局によると、芥川さんは「真のローカリティーこそが世界に通用する」と語っていたという。ウィーンフィル、ベルリンフィル、シカゴ交響楽団…。名のある楽団は都市名を冠し音楽ファンはもとより市民に愛されている。仙台も地域に根差したオーケストラを目指して改称を決めた。
 89年1月、改称を見届けず、芥川さんが急逝した。後任の音楽監督に指揮者の外山雄三さんが就任。遺志を継いだ外山さんや関係者らが奮闘し、市民に支持される楽団に育てた。
 東日本大震災の被災者を慰めようと、2011年6月に始めた復興支援コンサートは800回を超えた。親子や小中学生を招いた音楽会も人気で「温かい雰囲気」と好評という。
 楽団の松川真也事務局長(48)は「楽団員は芥川さんらの目指した姿を共有している。市の文化振興の一翼を担い、これからも多くの世代に愛される存在でありたい」と話す。
(報道部・熊谷優海香)

[メモ]仙台フィルハーモニー管弦楽団の本拠地は仙台市青葉区の市青年文化センター(802席)。市内で1000人以上収容できる施設は宮城県民会館、東北大川内萩ホール、イズミティ21などがある。市は、充実した音楽環境と公演の収益性を確保できるとされる2000席規模の音楽ホールについて、整備の在り方を検討している。


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2019年02月08日金曜日


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