宮城のニュース

<気仙沼・大島観光拠点完成遅れ>商店主困惑「市の怠慢」大型連休特需に間に合わず

造成の遅れを商店主たちに謝罪する留守副市長(中央)=7日夜、宮城県気仙沼市の大島

 宮城県気仙沼市本土と4月7日に気仙沼大島大橋でつながる同市大島に、市が整備する観光拠点(9890平方メートル)の敷地の造成が3カ月遅れて5月末までずれ込む問題で、4、5月の大型連休に合わせて商業モールを開店する予定だった地元の商店主たちが困惑している。大橋開通直後の特需を取り込めなくなるためで、一部の商店主は出店の取りやめも検討し始めた。

 「市の怠慢だ」「実害が出る。どう責任を取るのか」。7日夜。モールと市の施設が建つ敷地の地盤が安定しないため、造成工事完了が遅れる見通しを市が説明した島内の会合で、モールに出店する商店主から次々と不満の声が上がった。
 モールは、東日本大震災で被災した大島・浦の浜地区の商店主らが観光拠点の敷地(910平方メートル)に建てる。スーパーや飲食店など6店舗が入る予定だ。
 市は2017年11月、橋開通に合わせたオープンを予定していた観光拠点の完成が、県道工事の遅れなどで20年6月にずれ込むと公表。その後、県と市が工程を見直し、19年12月に完成を早める見直し案を示した。
 モールが建つ敷地の造成完了も19年9月から2月に早まる見込みとなり、商店主たちは拠点全体の完成を待たず、大型連休に合わせてモールを先に開店する計画を立てた。
 昨年9月には運営する合同会社を設立。県の補助金を活用する木造平屋の建物のデザインも決め、市から土地の引き渡しを受け次第、3月上旬から工事を始めるはずだった。スーパーを出店する予定だった気仙沼大島浦の浜商店会の菅原弘会長(65)は「連休のチャンスを逃してしまう。観光客は何もない島に来て落胆するだろう」と嘆く。
 市が対象の土地の造成を始めたのは昨年12月。留守洋平副市長は「地盤沈下の収束に時間がかかった」と謝罪したが、商店主たちは以前から、現場で造成がなかなか始まらない状況に不安を感じていたという。
 地元住民らによると、土地はもともと田んぼで地盤が軟弱。ある商店主は「早く造成を始めないと間に合わないと市に何度も伝えたが、聞く耳を持たなかった」と明かす。
 市は地盤の安定を早める対策を講じるが、大型連休に間に合わないため、出店の取りやめを検討し始めた入居者も出ている。
 運営会社の小山春幸代表(60)は「住民への背信行為だ。連休に間に合うと約束したから事業を進めた。1人でも欠ければ、建設自体をどうするかも考えなければならない」と話した。


関連ページ: 宮城 政治・行政

2019年02月09日土曜日


先頭に戻る